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NBA

「どう受け止めればいいのか分からなかった」――元ダンク王カーターが語る愛称“ハーフマン・ハーフアメイジング”の葛藤<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2025.08.12

レジェンドのカーターが自身のニックネームについて語った。(C)Getty Images

レジェンドのカーターが自身のニックネームについて語った。(C)Getty Images

 ヴィンス・カーターは1990年代、2000年代、2010年代、2020年代とNBAで初めて4つの世代でプレーした選手として知られる。恵まれた運動能力と跳躍力から叩き込むダンクは迫力満点で、“ハーフマン・ハーフアメイジング(半分人間、半分驚異)”というニックネームで親しまれた。

 1998年のドラフト全体5位でゴールデンステイト・ウォリアーズに指名され、当日のトレードでトロント・ラプターズに移籍したカーターは、デビュー直後からド派手なダンクで一躍注目を集める。

 キャリアのハイライトのひとつは、2年目に出場した2000年のスラムダンク・コンテストだ。レッグスルーダンクや肘入れダンクなどの大技を次々と披露し、観客や選手たちを驚愕させ、文句なしの優勝を飾った。

 カーターには“ヴィンサニティ”や“エア・カナダ”といった愛称もあったが、最もインパクトがあったのは“ハーフマン・ハーフアメイジング”だった。元NBA選手のドゥエイン・ウェイドも「史上最高にクールなニックネームのひとつ」と評している。

 8月5日に公開された、ディアンジェロ・ラッセル(ダラス・マーベリックス)とパーソナリティーのロガン・リンクマイヤーがホストを務めるポッドキャスト『The Backyard Podcast』に出演したカーターは、このニックネームについて次のように語った。

「どう受け止めればいいのか分からなかったよ。リーグに入ったばかりの頃は、自分の足跡を残そうと必死で、自分らしいプレーをしたいと思っていたんだ。チームには(ベテランの)チャールズ・オークリーもいた。最初は“ハーフマン・ハーフアメイジング”をカッコいいと思っていたけど、そう呼ばれると、その名に見合うプレーを求められるプレッシャーがついてくるんだ」
 
 さらにこう続けた。

「同時に、俺は俺でいようと思ったよ。この呼び名に加えて、ある日、『彼はMJ(マイケル・ジョーダン)にちょっと似てる』なんて言われた。いやいや、俺はそんなこと望んでいなかった。俺は俺の道を行きたいんだ」

 カーターがNBAデビューを飾る数週間前、ジョーダンは2度目の現役引退を発表。ひとつの時代が幕を閉じたことで、世間は“ネクスト・ジョーダン”を探していた。

 その中でカーターは、超人的な身体能力と同じノースカロライナ大出身という共通点から、“ジョーダンの再来”とも呼ばれたが、子どもの頃から彼に憧れていたカーターは、こうした比較を好まなかった。
 
 03年のオールスター、ファン投票で先発に選ばれたカーターは、この年限りで引退を表明していたジョーダンに敬意を表し、自らスタメンの座を譲った。最近では、バスケットボール殿堂入りを果たしたカーターにジョーダンが祝福の言葉を送る動画が拡散され、話題となった。

 なお、全盛期の2人がダンクコンテストで対決していたらどちらが勝つかと問われたジョーダンはこう答えている。

「私が若い頃だったら、本当にいい勝負ができただろう。楽しいコンテストになったと思うし、観客も大いに楽しめたはずだ。勝敗は関係ない。最高のクリエイティビティが見られるからね」

 カーターはNBA優勝こそ叶わなかったものの、昨年殿堂入りを果たし、ラプターズ時代の背番号15は球団初の永久欠番に指定されるなど、輝かしいキャリアを築いたと言えるだろう。

構成●ダンクシュート編集部

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