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ジョーダン、アイバーソン、レブロンらが好勝負を演じるも、ショー的要素が濃くなる【NBAオールスター全史|2000~09年】

出野哲也

2020.02.15

01年大会ではイーストが21点差をひっくり返し大逆転勝利。その立役者となったアイバーソン(下)がMVPに輝いた。(C)Getty Images

 2月14~16日(日本時間15~17日、日付は以下同)に開催される年に一度の祭典、NBAオールスター。東西のスーパースターが一堂に会する本戦をはじめ、スラムダンク・コンテストや3ポイントコンテストといった各種イベントが行なわれるこの夢舞台に、今年は八村塁(ワシントン・ウィザーズ)がライジングスターズ(キャリア1、2年目の選手が覇を競い合う若手版オールスター)にチームWORLD(アメリカ国籍以外の選抜メンバー)の一員として参戦。日本のファンからの注目度も、これまでにないほど高まっている。

 このお祭りを余すことなく楽しむためにも、今一度これまでの大会を振り返っておくべきだろう。2000年代のオールスターにも、01年のイースト大逆転劇やダブルオーバータイムにもつれた03年、手に汗握る激戦となった08年など、熱い好勝負があるにはあった。しかし個人技を魅せるショー的な要素が強くなり、真剣勝負の度合いは急速に薄れていった。
 
■個人技などのショー的な要素が強くなる

 この頃になると、オールスターは真剣勝負の度合いが急速に薄れていった。選手たちは真面目にディフェンスをしなくなり、ハーレム・グローブトロッターズ(バスケを用いたエンターテインメント集団)ばりの派手なダンクやパス、ノーガードで3ポイントを打ち合うような、個人技を披露する場のようになってきた。

 2002年にトレイシー・マッグレディ(オーランド・マジック)が披露した"1人アリウープ"は、それはそれで見事なものではあったが、緊張感に乏しいエキシビジョン・ゲームだからこそできたという側面はあった。以前は珍しくなかった、6ファウルで退場する選手も、1987年のアキーム・オラジュワン(ヒューストン・ロケッツ)が最後になっている。

 とはいえ、そうした風潮のなかでも熱さのほとばしるような場面がまったくなくなったわけではない。01年はアレン・アイバーソン(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)とステフォン・マーブリー(ニュージャージー・ネッツ/現ブルックリン・ネッツ)が先頭に立ち、残り9分で21点差があったのを猛追。イーストを逆転勝利へと導いた。最後の9分間であげた15得点を含め、計25得点をマークしたアイバーソンがMVPを獲得したが、22リバウンドを奪ったディケンベ・ムトンボ(アトランタ・ホークス)の働きも光った。
 
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