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NBA

ジェームズ・ウォージー――何より勝利を優先した、究極のチームプレーヤー【レジェンド列伝・前編】<DUNKSHOOT>

出野哲也

2025.10.06

“第3の男”として、ウォージーは3度の優勝を経験した。(C)Getty Images

“第3の男”として、ウォージーは3度の優勝を経験した。(C)Getty Images

 一部の人の眼には、ジェームズ・ウォージーのNBA人生は不幸に映るかもしれない。エースに成り得る才能を持ちながら、 カリーム・アブドゥル・ジャバー、 マジック・ジョンソンという両巨頭に挟まれ、キャリアの大半を “第3の男” として過ごすしかなかったからだ。 

 だが、 本人はこの考えを真っ向から否定する。得点を多く取ろうが、MVPに選ばれようが、それよりも優勝する方がよほど大事だと。チームプレーヤーでなければ語ることのできないこの台詞こそが、 彼の哲学を表わしている。

■大学へ進学するために選んだバスケットボール

「レブロン・ジェームズがこのままクリーブランド・キャバリアーズを去ったら、負け犬と呼ばれても仕方ないね。私にとっては、最終的目標(優勝)を達成しないままチームを出て行くなんて、思いもしないことだ」

 2010年夏、キャブズからFA(フリーエージェント)となったレブロンの去就が巷を賑わせていた頃、ウォージーはこんな発言をしていた。
 
 ショータイム時代のロサンゼルス・レイカーズで3度の優勝を経験し、プロ入り以前にもノースカロライナ大で全米制覇を達成。強豪ばかりでプレーしてきたウォージーに、レブロンが当時置かれていた境遇がわかるはずはない、との批判もあった。

 けれども、これは勝者とは何かを熟知している彼だからこそ、安易な方法でその地位にたどり着いてほしくないとの思いを込めた叱咤でもあったのだ。

 ウォージーはバスケットボールの盛んなノースカロライナ州に生まれた。当然、子どもの頃から大のバスケット好きだったかと思いきや「正直言ってバスケットは好きではなかった。それでもずっと続けていたのは、大学に行くために一番の近道だと思ったからさ」。

 父親は教会の牧師で、あまり給料が高くなかったために、子どもたちの学費を捻出するのに苦労していた。両親の負担を少しでも減らすために、ウォージーはバスケットボールの腕を磨いて、奨学金をもらおうとしたのだった。
 
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