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元MVPのエンビードが約8か月ぶりに実戦復帰!指揮官も「彼らしいプレーをしていた」と好感触<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2025.10.14

エンビードが健康体を維持できるかが、シクサーズの浮沈のカギを握る。(C)Getty Images

 左ヒザのケガにより、昨季2月以降NBAのコートから離れていたフィラデルフィア・セブンティシクサーズのビッグマン、ジョエル・エンビードが実戦に復帰した。

 現地時間10月12日、シクサーズ傘下のGリーグチーム、デラウェア・ブルーコーツの本拠地チェイス・ファームハウスで行なわれた、プレシーズン恒例の青チーム×白チームの試合に出場したのだ。

 9月26日のメディアデーでは、「計画通りに、やるべきことをひとつずつクリアしている状況。すべてを正しくやることに集中している」と語ったエンビードだが、復帰時期については明言していなかった。

 ニック・ナースHC(ヘッドコーチ)によれば、トレーニングキャンプ開始後は徐々に実戦的な練習も増やし、5対5のドリルにも取り組んでいるという。

 この日の試合でのエンビードは、全盛期の動きとはいかないものの、精度の高い3ポイントやインサイドへの切り込みからのダンクなど、状況に応じたプレーで効率よく得点を重ねた。

 試合後、ナースHCは『NBCスポーツ』に対して「彼らしいプレーをしていた。シュートもよく決まっていたし、オフェンスの統制もできていた。コートの両サイドで良い走りを見せていた」とコメントした。
 
 印象的だったのは、今年のドラフトで全体3位指名を受けた新人VJ・エッジコムとのコンビプレーだ。エンビードはメディアデーで、「彼のバックグラウンドは自分と少し似ていて、好印象を抱いた。すごく良いヤツで、一緒にいて楽しい」と語っており、この日はルーキーのスクリーンから3ポイントを決めたり、逆にコーナースリーをクリエイトしたりと息の合ったプレーを披露した。

 バハマ出身で7月に20歳になったエッジコムにとっても、2023年にMVPに輝いた実績十分のオールスタービッグマンとの良好なケミストリーは重要だ。

 さらに、ナースHCはエンビードと2年目のアデム・ボナを同時に起用する構想も明かしている。

「4番(パワーフォワード)のポジションは現在オープンで、いろいろな選手を試している。ボナはおそらく5番(センター)として起用する予定」と語り、ボナ自身も「エンビードとの共闘で、ペイント内での存在感が格段に増す」と意欲を見せている。

 ただし、4月に関節鏡手術を受けたエンビードにとって、10月22日のボストン・セルティックスとの開幕戦出場は時期尚早との見方が強い。それでも、攻守両面で絶大な影響力を持つチームの柱がコートに戻る日はそう遠くないだろう。

 度重なるケガを経て、「昨年よりも心身ともに整った状態にある」と語るエンビード。彼のカムバックは、シクサーズにとって大きなブーストになることは間違いない。

文●小川由紀子

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