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バスケW杯

“日本に渡邊雄太あり”を示したW杯予選。元NBA選手としての実力と、代表で際立つ唯一無二の存在価値<DUNKSHOOT>

萩原誠(ダンクシュート編集部)

2026.03.09

日本の攻守の要として存在感を放った渡邊雄太。(C)FIBA

日本の攻守の要として存在感を放った渡邊雄太。(C)FIBA

 バスケットボールのワールドカップ(W杯)が現行の予選システム(各地域内で約1年3か月の間に6つの期間=Windowで戦う方式)を導入したのは、2019年大会から。今回で3回目となるが、日本にとって過去2大会との大きな違いは何か。それは“渡邊雄太の存在”だ。

 高校卒業後の2013年に渡米して以降、大学、そしてNBAと長きにわたってアメリカでキャリアを重ねてきた渡邊にとって、これまでW杯予選は出たくても出られない舞台だった。

 実際に過去2大会の予選計24試合で出場したのは、NBA入り直前の2018年9月に行なわれた、Window4の2試合のみ。2023年大会に向けた予選は、1試合も出場していない。

 だが昨シーズンから国内のBリーグに活躍の場を移したことで、2027年大会に向けた予選はフルで参加できている。

 昨年11月からスタートした『FIBAバスケットボールW杯2027アジア地区予選』は、現在Window2まで終了し、日本は3勝1敗でグループBの首位。渡邊は全4試合に先発出場し、平均33.8分の出場で15.5点、6.5リバウンド、2.0ブロックの成績を残している。総出場時間(135分)、総得点(62点)、ブロック数(8本)はチームトップだ。
 
 渡邊が代表チームに与える影響は計り知れない。

 昨年11月28日の初戦チャイニーズ・タイペイ戦で最多の20得点をあげて快勝に導くと、2月26日~3月1日にホーム沖縄で行なわれたWindow2では、その存在感を一層強く感じさせた。

 特に78-72で勝利した3月1日の韓国戦。6点ビハインドと劣勢の残り7分25秒からミドルジャンパーと3ポイントで5点を連取し、逆転に成功した終盤に3点差に広げるダンクを決めた活躍は、文字通り日本を救うパフォーマンスだった。

 また自身のプレー以外でも、抜群のリーダーシップでチームを束ねる姿が印象的だった。

 例えば中国戦、相手指揮官が富永啓生や西田優大に対して悪質とも言える行為を働くと、渡邊は率先して間に入り、チームの代表として抗議。試合を通じて審判団とも英語で積極的にコミュニケーションを取り、フェアプレーを体現した。

 さらに日本の逆転に沸いた韓国戦では、押せ押せムードの終盤に観客を煽り、勝利の流れを引き寄せた。こういった冷静さと熱さを状況に応じて使い分け、チームを引っ張ることができるのが、渡邊の誰にも代えがたい存在価値だと言える。

 代表戦の期間を終え、Bリーグは先週末から再開した。千葉ジェッツは大阪エヴェッサとのアウェー2連戦で連勝。渡邊は2戦合計32得点、16リバウンド、6スティール、5ブロックと、変わらぬ献身性で勝利に貢献している。

 リーグ戦での好調は、シーズン終了後の7月に行なわれるWindow3、4にも必ず生きてくる。まだまだ日本には渡邊雄太が必要だ――そう確信させた数日間だった。

取材・文●萩原誠(ダンクシュート編集部)

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