NBA

コビーの盟友デレック・フィッシャーが受けた、ニック・ヴァン・エクセルからの“新人の洗礼”

ダンクシュート編集部

2020.03.04

ルーキー時代のフィッシャー(右)は、先輩PGのヴァン・エクセル(左)から“新人の洗礼”を受けていた。(C)Getty Images

 1月26日のヘリコプター墜落事故で亡くなったコビー・ブライアントが、ロサンゼルス・レイカーズの黄金期を支えたスーパースターであったことを、今さら詳細に語る必要はないだろう。彼のチームメイトにはシャキール・オニール、パウ・ガソル、ラマー・オドム、メッタ・ワールドピースといった実力者たちが多くいたが、コビーが経験した5回の優勝をすべてともに分かち合ったのが、いぶし銀のポイントガード(PG)、デレック・フィッシャーだった。

 1996年のドラフト1巡目24位でレイカーズに指名されたフィッシャーは、NBA入りから数年間はセカンドユニットが主戦場。2000-01シーズンの終盤から先発に定着しチームの連覇に貢献すると、翌年もコビー、シャックに次ぐチーム3位の平均11.2点をマークし、スリーピート(3連覇)を達成したメンバーの一員として名を刻んだ。

 身長185cmと小柄だったフィッシャーは、粘り強い守備と精度の高い3ポイント、抜群の勝負強さを武器に、熾烈なNBAの世界で自分の立ち位置を確立。3連覇後はゴールデンステイト・ウォリアーズ、ユタ・ジャズを経て2007年にレイカーズに復帰し、さらに2度のチャンピオンリングを勝ち取った。計5度のリーグ制覇は、コビーやティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)、デニス・ロッドマン(元シカゴ・ブルズほか)らレジェンドたちと並ぶ回数だ。
 
 そんないぶし銀のフィッシャーが、ルーキーシーズンに"新人の洗礼"を受けた選手が、1993~98年にレイカーズに所属していたニック・ヴァン・エクセルだったという。『Spectrum SportsNet』で『ウェルカム・トゥ・ザ・NBAモーメント』(それまで通用していたプレーがNBAでは通用しないことを思い知らされる瞬間)を尋ねられると、同身長で同じ左利きだった先輩PGの名前を挙げている。

「トレーニングキャンプの前に、UCLAでピックアップゲームを行なったんだ。そこにはニック・ヴァン・エクセルをはじめたくさんの選手がいて、私はニックのマークについた。マジック(ジョンソン)はサイドラインからゲームを観ていて、すべてのポゼッションで私を追ってきたんだよ。

 私がニックのプレーで混乱させられているのを楽しんでいたようで、何度もサイドラインから飛び出して『ああ、彼にそんなことしていちゃダメだ。速く!』と言っていた。私はテレビでしかニックを見たことがなくて、彼とは対戦したことがなかったから、『オッケー、こうやるのか』という感じだったよ」
 
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フィッシャーを成長させた“ヴァン・エクセルの衝撃”