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NBA

“未来の名将”誕生か⁉「無意味な存在だった」と謙遜するダンカン代理HCが示したカリスマ指揮官の資質

ダンクシュート編集部

2020.03.04

欠場したポポビッチHCに代わってスパーズを率いたダンカン。指揮官としての第一歩を踏み出した。(C)Getty Images

欠場したポポビッチHCに代わってスパーズを率いたダンカン。指揮官としての第一歩を踏み出した。(C)Getty Images

 3月3日(日本時間4日、日付は以下同)に行なわれたサンアントニオ・スパーズ対シャーロット・ホーネッツ戦。この試合は、未来の名将がヘッドコーチ(HC)としての第一歩を踏み出した、記念すべきゲームとして記憶されるかもしれない。

 その“未来の名将”の名はティム・ダンカン。現役時代はスパーズの大黒柱としてチームに5度の優勝をもたらし、今季からアシスタントコーチとして入閣していた歴代最高のパワーフォワードは、個人的な理由で欠場した正指揮官のグレッグ・ポポビッチに代わってチームを統率。104-103と接戦を制し、HC初勝利を手に入れた。

 試合は第1クォーターを終えた時点で19-36と、ホーネッツにいきなり大量リードを許す苦しい展開に。しかし“ダンカンHC”は、今季ここまで出場5試合、平均5.0分のプレータイムにとどまっていたケルドン・ジョンソンを同クォーター終盤に投入すると、そのルーキーが期待に応え、第2クォーターだけで7得点をマーク。積極的な若手起用でゲームの流れを引き寄せ、第3クォーターを終えて77-76と逆転に成功する。
 
 その後も目立った采配ミスはなく、堂々とした立ち振る舞いは百戦錬磨のベテランHCとも見紛うほど。勝利を収めた試合後にダンカンは「ポップが(次の試合で)戻ってくるから、喜んで彼に指揮官の座を返すよ」と話し、さらに「今日はHCとして座っていたけど、正直に言えば私はHCではなかった。我々にはベッキー(ハモン)やウィル(ハーディ)、ミッチ(ジョンソン/いずれもスパーズのアシスタントコーチ)がいる。ミッチが試合の準備をして、ベッキーとウィルがすべてのプレーをコールしていた。私はただ立って叫んでいるだけの、無意味な存在だったよ」と謙遜していたが、選手やスタッフがこのレジェンドに初勝利を手向けようと、少なからず特別な感情を抱いていたのは間違いないだろう。その求心力は、名将と呼ばれる指揮官に求められる要素のひとつだ。

 指揮官デビューを果たしたダンカンに対し、現役時代をともに戦ったパティ・ミルズは「すごく上手にチームを操縦していたから、これがHCとして初めて試合とは信じがたいね」と称賛。エースのデマー・デローザンも「もう少しリラックスした方がいいかな(笑)。いや、すごく良かったよ」と、ジョーク交じりにその手腕を称えていた。

 近年は毎シーズンのように勇退が噂されているポポビッチHC。今夏の東京五輪が最後との説も流れているが、非常に頼もしい“後釜”が見つかったかもしれない。

構成●ダンクシュート編集部

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