NBA

「一番面白かったのは…」昨プレーオフ、レナードの劇的ブザービーターの裏でシアカムが“心配”していたこととは?

秋山裕之

2020.05.29

レナードが劇的弾を決めたこのシーンで、シアカムはショットの行方と同時にイバカの動きも気にしていたという。(C)Getty Images

 昨年のプレーオフ、トロント・ラプターズとフィラデルフィア・セブンティシクサーズによるイースタン・カンファレンス準決勝は、第6戦を終えて互いに3勝3敗のイーブン。最終第7戦も、残り4.2秒にジミー・バトラー(現マイアミ・ヒート)がファーストブレイクからレイアップを沈め、シクサーズが土壇場で90-90のタイスコアへと持ち込む大激戦となった。

 そして迎えた、ラプターズ最後のポゼッション。マルク・ガソルのスローインを受け取ったカワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)は、円を描くように右コーナーへとドライブ。ベン・シモンズを抜き去り、213cmのジョエル・エンビード越しに高いアーチを描いたジャンパーを放つ。

 そのショットは一度リングの手前で跳ね上がり、何度か弾んだのちにネットへ吸い込まれる。劇的な結末の末に、ラプターズがカンファレンス決勝進出を決めた瞬間だった。
 
 そのシーンをベンチから見守っていたダニー・グリーン(現ロサンゼルス・レイカーズ)は「ボールがバウンドした1秒間は、少なくとも45秒くらいに感じたね。それでボールがリングを回り始めたんだ。カメラが捉えた映像だとほんの一瞬のように見えるけど、実際にあの場にいた立場からすれば『ボールはずっと回っているんじゃないか?』『ずっとバウンドし続けるんじゃないか?』と思ったよ」と『CBS Sports』にコメント。シリーズを決着させるブザービーターが決まり、選手やコーチ、関係者、スコシアバンク・アリーナに集まった地元トロントのファンなど、ラプターズに関わるすべての人々が喜びを爆発させたのは言うまでもない。

 当時のラプターズでレナードに次ぐスコアラーとして活躍したパスカル・シアカムも、5月27日(日本時間28日、日付は以下同)に出演した『NBA on TNT』のアーニー・ジョンソンとのTwitter livestreamで、この時の様子を次のように回想した。

「俺はあの時フロアにいて、ボールが跳ねているのを見ていた。何回バウンドしたんだろう。12回くらい跳ねてから入ったんじゃないかな」
 
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シュートの行方ともうひとつ、シアカムが心配していたこととは?