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95年にドレクスラーはソニックスへ移籍する予定だった?当時の関係者が明かす“幻のトレード話”

ダンクシュート編集部

2020.06.12

94-95シーズンの途中にトレードでロケッツへ移籍したドレクスラーだが、ソニックスも獲得を狙っていたという。(C)REUTERS/AFLO

 マイケル・ジョーダンのライバルとして知られるクライド・ドレクスラーは、1994-95シーズン途中に11年半を過ごしたポートランド・トレイルブレイザーズからヒューストン・ロケッツへ移籍。大学時代の盟友アキーム・オラジュワンと再びタッグを組み、加入1年目で悲願のリーグタイトルを手にした。しかし、当初はゲイリー・ペイトンとショーン・ケンプを擁するシアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)行きが成立寸前だったという。

 1995年1月26日のブレイザーズ対ユタ・ジャズ戦前、『ニューヨーク・デイリーニュース』はソニックスがケンドール・ギルを駒にドレクスラーを獲得するトレードの可能性を報じた。ソニックスのウォリー・ウォーカー社長(当時)は、この交渉が「しばらく話に挙がっていた」ことを認めた一方で、両チームのスポークスマンはロースターに関する回答を拒否。結局、ソニックスはトレードに踏み切ることはなかった。

"幻のトレード"から25年の月日が経過。94年にソニックスのゼネラルマネージャー(GM)を辞任し、直後にブレイザーズのGMとなったボブ・ウィシット氏が『Truth + Basketball podcast』に出演した際、当時の状況を振り返っている。
 
「私がポートランドに到着した時、ポール(アレン・オーナー)はチームを解体する必要があると言った。彼らは人気のあるチームだったから1年前に動くべきだった」

 エースのドレクスラーを中心に90、92年にファイナルに進出したブレイザーズだが、"バッドボーイズ"のデトロイト・ピストンズと"神様"ジョーダン率いるシカゴ・ブルズに敗退。さらに93、94年のプレーオフでは1回戦で姿を消した。ドレクスラー、バック・ウィリアムズ、テリー・ポーターが30歳を超え、クリフォード・ロビンソンとロッド・ストリックランドに世代交代が進む最中、ドレクスラーのトレード話を進めていたという。

「ポールは(GMの)ジェフ・ペトリー、(HCの)リック・アデルマンら関係者をすべて解雇し、(HCとして)PJ・カーリシモを招聘していた。彼はすでにクライドに新契約を約束していたが、それを実行に移すつもりがなかったから、私が彼をトレードしなければならなかった。クライドには言ったよ、(1980年代に活躍したセンターの)ジャック・シクマがいいプレーをしていた状況(ソニックス)に君を置こうと思っている、とね」