専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

高校からGリーグを経てNBAドラフトへ。新たなトレンドとなりそうなこのシステムのメリット・デメリットとは?

杉浦大介

2020.06.17

話題を呼んだグリーン(写真)のGリーグ入り。これがNBAの新たなトレンドとなるのか?(C)Getty Images

話題を呼んだグリーン(写真)のGリーグ入り。これがNBAの新たなトレンドとなるのか?(C)Getty Images

 4月16日(日本時間17日、日付は以下同)、カリフォルニア州のプロリフィック・プレップに在学する高校生のジェイレン・グリーンが、来季のGリーグ(NBA入りを目指す選手たちが所属する下部組織)入りを表明したことは、アメリカでも大きなニュースになった。

 18歳のグリーンは196cm・79kgのサイズに、身体能力とボディバランス、クイックネスを高次元で備えたシューティングガード。来季はカレッジでプレーし、2021年のドラフトで上位指名の有力候補になると目されていた。ところが、メンフィス大に進学すると思われていた逸材は、突如プロ入りを宣言したのだ。

 これを受けGリーグのシャリーフ・アブドゥル・ラヒーム会長は、「ジェイレンは次世代のNBAを代表する選手。Gリーグでプロの旅路を始め、NBAレベルの指導や選手育成から多くを学んでいくだろう」と喜びの言葉を発表している。

 この後、4月17日にはノースカロライナ州のトップ高校生として鳴らしたアイザイア・トッド、28日にはUCLA進学と報道されていたダイシェン・ニックスもGリーグ入りを発表。高校からGリーグへ行くことがひとつのトレンドとなっている感すらある。
 
 これらの動きは、NBAとGリーグが提携して制定された「プロフェッショナル・パス・イニシアチブ」という新たな育成プログラムに関係している。このプログラムに参加する選手は、高校卒業後にGリーグで給料をもらいながら1年間プレーし、ドラフトへと備える。Gリーグとはいっても、NBA球団の傘下チーム入るわけではない。新たに創設されるセレクトチームの一員として10~12試合(Gリーグは通常50試合)程度Gリーグのチームと対戦し、プロとしての経験を積むことになる。

 受け取るサラリーは1シーズン12万5000ドルと伝えられているが、実際にはもっと多額になる模様。グリーンは50万ドル、ニックスは30万ドル、トッドは25万ドルとも推測されている。

 近年は大学で1年間プレーし、アーリーエントリーでNBA入りする“ワン&ダン”が主流となっているが、ここに新たな選択肢が加わった。なるべく早くプロに行って稼ぎたいが、まだ身体ができていない選手には適した制度と言える。近年はラメロ・ボール、RJ・ハンプトンなど、高校卒業後に海外のプロリーグと契約して次のドラフトに備える選手が増えているなか、リーグ側には人材の海外流出を避けるという意図があるのだろう。しかし、この新制度に批判的な声もないわけではない。
 

■■■プロ野球はDAZNで!「THE DIGEST」から申し込むと今だけDAZNが2か月無料に!キャンペーンは6月23日(火)まで!■■■

NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号