NBA

プレーオフで大暴れしたマレー「自分に才能があることは分かっていたけど…」

秋山裕之

2020.10.18

マレーは「今の俺のゴールは、最も偉大な選手になること」と切り出して野望を語った。(C)Getty Images

 今年のプレーオフで、デンバー・ナゲッツのジャマール・マレーは最も評価を高めた選手の1人と言っていい。

 昨夏にナゲッツと5年1億7000万ドル(約178億5000万円)のMAX契約を結んだスコアリングガードは、シーズン中断期間にウエイトトレーニングで屈強な肉体を手に入れ、満を持して第二幕に臨んだ。

 するとプレーオフのファーストラウンドではユタ・ジャズのオールスターガード、ドノバン・ミッチェルと壮絶なスコアリングバトルを演じ、2人揃って50得点以上を2度も記録。なかでもマレーが見せたスコアリングショーは圧巻で、第5戦で42得点、8リバウンド、8アシスト。第6戦でも50得点、5リバウンド、6アシストと爆発し、ナゲッツを窮地から見事救ってみせた。

 ロサンゼルス・クリッパーズとのカンファレンス・セミファイナルでも、1勝3敗というピンチに陥る中、第5戦から順に26得点、21得点、第7戦では40得点という超絶パフォーマンスを見せて2シリーズ連続で1勝3敗から3連勝という大逆転劇の主役を演じた。
 
 ロサンゼルス・レイカーズとのカンファレンス・ファイナルでは1勝4敗で敗れ去ったものの、マレーはいずれもチームトップとなる平均25.0点、7.4アシストと奮戦。第4戦の第2クォーターには、レブロン・ジェームズを空中でかわしリバースレイアップをねじ込み、マイケル・ジョーダンを彷彿とさせる超絶プレーを披露。見事なスピンがかかったボールは鮮やかにリングへと吸い込まれ、レブロンも驚きの表情を見せていた。

 ジャズとのシリーズでもルディ・ゴベアを相手に空中で360度回転のレイアップを放り込んだマレーは、クラッチタイムでも憎たらしいほどショットを幾度も決め、大きな注目を集めた。

 そんなマレーが今年のプレーオフで残した成績は、平均26.5点、4.8リバウンド、6.6アシストにフィールドゴール50.5%、3ポイント45.3%(平均3.3本成功)。193㎝・97㎏のガードとしては驚異的な成功率と言っていい。

 レイカーズとのシリーズ第5戦。マレーは右足打撲と右ヒザ骨挫傷に見舞われたことで「足に大きな痛みを抱えてしまった。それが試合を通して俺を痛めつけることになったんだ。シューズを変えたけど効果はなかった。今日はちょっと苦しんでいたんだ」と明かし、19得点、8アシストに終わった。