NBA

「自分を見ているよう」とヤニスが語る、アデトクンボ家の末弟アレックスがスペインでプロデビュー。明かされた兄弟間の知られざるエピソード

小川由紀子

2020.10.26

スペインでプロデビューした末弟アレックス(右から2番目)について、ヤニス(左)は「自分を見ているよう」と語る。(C)Getty Images

 アデトクンボ兄弟の末っ子アレックスが10月18日、所属するスペインのUCAMムルシアでプロデビューを飾った。

 といっても、トップリーグのACBではなくリザーブチームでの試合ではあったが、19歳のスモールフォワードは28分の出場で6本の3ポイントを含む28得点、6リバウンドという立派な数字をマーク。83-69でチームが勝利する原動力となった。

 ミルウォーキーのドミニカン・ハイスクールを今年卒業したアレックスは、アメリカのカレッジへの進学ではなく、ヨーロッパのクラブとプロ契約を選んだ。その理由を、本人は欧州のバスケットボールファンに人気のサイト『Eurohoops.com』にこう語っている。

「アメリカでもいくつかチャンスがあったけれど、ヨーロッパでプレーすることを選んだ。できるだけ早くプロになりたかったからだ。僕はヨーロッパで生まれ育ち、ヨーロッパのバスケットボールを知っている。だから、ヨーロッパのクラブと契約することがベストだと思った。プロの先輩たちと一緒にトレーニングし、試合で戦うことで、実戦経験やプレッシャーを肌身で学べるからね」
 
 4歳上のコスタスは同じ高校からデイトン大へ進学し、そこからNBA入りを果たしたが、ヤニスがプロデビューしたのもギリシャのセミプロクラブ。そこで2年間修行を積んだあと、2013年夏にミルウォーキー・バックスからドラフト指名を受けた。また、タナシスもヤニスとともにギリシャのフィラスリチコスでプレーしたあとにアメリカに渡り、その後再びヨーロッパに戻ってアンドラやパナシナイコスで研鑽している。

 アレックスに対し、カレッジではミルウォーキーと同じウィスコンシン州にあるグリーンベイ大やオハイオ大、シカゴのデポール大が奨学金をオファー。ヨーロッパのクラブでは、リトアニアの名門リュタスなども名乗りを挙げていたが、それらのなかから最終的に本人が選んだのが、スペインのムルシアだった。契約は3年間で、毎夏チャンスがあればNBAチームに移籍できるという条項付きだという。
 
NEXT
PAGE
開幕前には兄2人がアレックスの激励にスペインへ