NBA

八村塁は不振のウィザーズを救えるか?ブルックスHCが求める理想像とは

秋山裕之

2021.01.03

NBA2年目を迎えた八村。今季は攻守両面でさらなる飛躍が期待される。(C)Getty Images

"日本バスケ界の至宝"八村塁は昨季、ワシントン・ウィザーズの先発パワーフォワードとして平均13.5点、6.1リバウンド、1.8アシストをマークし、オールルーキー2ndチームに選出された。

 さらなる飛躍が期待される2年目の今季は、12月13日(日本時間14日、日付は以下同)に行なわれたブルックリン・ネッツとのプレシーズン初戦で3本の3ポイントを含む18得点、4リバウンドをマーク。しかし、その後に流行性角結膜炎が発覚し、約3週間の離脱と発表され、開幕から出遅れる事態となった。

 それでも順調に回復した八村は、12月31日のシカゴ・ブルズ戦で戦列復帰。25分13秒の出場で17得点、5リバウンド、3アシスト、1スティールと上々の初陣を終えると、翌1月1日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦でも19分29秒の出場で11得点、4リバウンド、2アシストをあげて今季初勝利に貢献し、開幕からのチームの連敗を5で止めた。
 
 オフシーズンからトレーニングキャンプ、プレシーズン期間を通じて、八村の成長を見届けてきたスコット・ブルックスHC(ヘッドコーチ)は語る。

「ルイが最も成長した部分は2つある。まずは相手選手について、より詳しくなったこと。1年目はまだ右も左も分からない状態。だから毎試合、コーチ陣とスカウティングレポートとフィルムの研究をして予習をするが、それだけで精一杯だった。(今年は)そのあたりに余裕ができた。相手選手(の傾向)を把握してきたからね。まだ成長の余地はあるが、楽になったはずだ。

 もうひとつはコミュニケーション。ルイはもともと物静かなんだ。アメリカに来たのも数年前だしね。でも離脱する前にも感じたが、以前ほど大人しくはなくなった。もちろん、ラッセル(ウエストブルック)ほど声を出すことはないだろうけどね(笑)。 ディフェンスではコミュニケーションが大切なんだ。昨シーズンの問題点のひとつがそのコミュニケーションだった。そもそもこのチームには大人しい選手が多い。彼は非常にレベルが高い選手。1年目は素晴らしかった。2年目はより素晴らしいものになると私は思っている」
 
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2年目は攻撃の起点としての働きも