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NBA

渡邊雄太の元同僚マルコ・グドゥリッチ。NBAで短命に終わった理由とは

小川由紀子

2021.01.18

昨季は渡邊とともにプレーしたグドゥリッチだが、オフに解雇され欧州へと戻った。(C)Getty Images

昨季は渡邊とともにプレーしたグドゥリッチだが、オフに解雇され欧州へと戻った。(C)Getty Images

 昨シーズン、渡邊雄太とともにメンフィス・グリズリーズでプレーしたセルビア人ガードのマルコ・グドゥリッチ。2019年夏、ドラフト外から2年契約を結び念願のNBA 入りを果たしたが、44試合に出場し平均11分のプレータイムで3.9点という数字にとどまり、今季のロースターには残れずに古巣のフェネルバフチェへと復帰した。

 祖国セルビアの強豪レッドスターで、弱冠20歳でプロデビューしたグドゥリッチは、3ポイントを得意とするピュアシューター。ユースチーム時代は、シーズン成功率で5割を超えるほど高精度だった。

 その後、ファイナル4の常連となったトルコのフェネルバフチェに引き抜かれ、2018-19シーズンはユーロリーグで47.7%の3ポイント成功率を記録。そんな彼を、シューターを探していたグリズリーズはモニタリングしていた。
 
 バスケットボール運営部門シニアバイスプレジデントのザック・クレイマンは、「バスケットボールはすでに世界規模のゲームであり、あらゆる場所で求める才能を見つけることができる。そしてシューティング力のある人材を探していた時に、浮上してきたのが彼だった」とグドゥリッチ獲得に至った経緯を語り、シュート力のみならず、彼のバスケIQやゲームビジョン、ディフェンス面も評価していると話していた。

 中国で開催された2019年のワールドカップにセルビア代表の一員として参加していたため、アメリカに到着したのはトレーニングキャンプが始まる7日前。しかし初練習からエンジン全開の奮闘を見せたグドゥリッチを、テイラー・ジェンキンス・ヘッドコーチ(HC)は「優秀なシューターだということは周知の事実だが、それだけでなくピック&ロールやオフ・ザ・ボールの動き、チームディフェンスにも長けている。コートの両サイドで戦力になれる素質を持っていて、まさに我々が求めていたタイプの選手だ」と賞賛した。

 懸念されていたNBAとヨーロッパの試合ペースの違いについても「彼がこれまで慣れ親しんでいたものとは異なるが、速いペースに順応しようと意識的に努力している様子が見られた。自然な形でプレースタイルも転換していけるだろう。アグレッシブに自分から向かっていこうという姿勢も見られて満足だ」と手応えを口にしていた。
 
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