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ハーデンのネッツ移籍にロケッツOBがひと言「チームは彼が望んだ選手を与えてきたが…」〈DUNKSHOOT〉

ダンクシュート編集部

2021.02.02

フランシスは2000年代初頭からロケッツの顔として活躍。通称“スティービー・フランチャイズ”は、中国人センターのヤオ(右)とのコンビでチームを上位に導いた。(C)Getty Images

 史上8人目となる3年連続得点王に輝いたジェームズ・ハーデンは、今年1月に大型トレードでブルックリン・ネッツへ電撃移籍した。ケビン・デュラント&カイリー・アービングとの"ビッグ3"誕生は大きな注目を集めたが、一方で8年半を過ごしたヒューストン・ロケッツに対して移籍を要望したとされるなど、"飛ぶ鳥跡を濁さず"とはいかず、ロケッツOBも退団の決断を疑問視している。

 2009年のドラフト1巡目3位でオクラホマシティ・サンダーに加入したハーデンは在籍3年間、デュラントとラッセル・ウエストブルック(ワシントン・ウィザーズ)を支えるスーパーサブに甘んじていた。しかし、12年にロケッツへ移籍。圧倒的な得点力を武器に、瞬く間にチームの絶対的エース、リーグを代表する顔に上り詰めた。

 2017-18シーズンから3年連続得点王を獲得し、18年にはシーズンMVPも受賞。チームもハーデン加入から8年連続でプレーオフに進出した一方で、最高でもカンファレンス決勝進出(15、18年)だった。

 結局、最後までファイナル進出は果たせないまま、ロケッツを離れることになったが、ハーデンの決断は大きな波紋を呼んだ。プロ入りした1999年からオーランド・マジックにトレードされた2004年6月までロケッツのフランチャイズプレーヤーの1人として君臨したスティーブ・フランシスも『NBC Houston』の番組『Sports Sunday』で「俺はロケットマン(ロケッツの男)だ」と忠誠心を主張したうえで、ハーデンのトレードについて見解を述べている。
 
「彼は(ロケッツという)組織のためにプレーしたくなかったんだと思う。チームは彼が望んだ選手を与えてきた。ただ、人間は時に、別の場所で、別のチャレンジを求めたりするものだ。彼にとってニューヨーク(ブルックリン)が望んでいた場所だったんだろう。彼は新天地(ネッツ)でも欲しいものを手に入れられるが、ロケッツもチームとして前進し続ける」

 ロケッツで3度のオールスター出場を果たし、02年からの2シーズンは中国人センターのヤオ・ミンとの強力デュオで注目を集めたフランシス。04年6月にトレイシー・マッグレディを獲得するトレードでオーランド・マジックに放出されたが、その時はショックだったと振り返っている。

「衝撃的だった。俺は(04年のプレーオフで敗退した)その週に、もしトレードするつもりなら言ってくれと伝えたんだ。(当時ヘッドコーチだった)ジェフ・ヴァン・ガンディは『ノー』と言っていたよ。俺は休暇に出たけど、その後にトレードされた。04年に家を建てたばかりだったけど、バスケットボールはビジネスだと示してくれた出来事だった」

 ネッツは3月3日(日本時間4日)に敵地ヒューストンでロケッツと対戦予定。フランシスはハーデンにとって「難しいゲームになるだろう」と推察しているが、果たしてハーデンは周囲の喧騒を鎮めるだけの圧倒的なパフォーマンスを見せられるだろうか。

構成●ダンクシュート編集部

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