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「どんな役割でも受け入れてくれる」シボドーHCが“教え子”ローズを獲得した理由を明かす〈DUNKSHOOT〉

秋山裕之

2021.02.10

2月8日にローズはピストンズからニックスへトレード。再びシボドーHCの下でプレーすることになった。(C)Getty Images

 2月8日(日本時間9日、日付は以下同)に正式に成立したトレードで、ニューヨーク・ニックスはデニス・スミスJr.と2021年のドラフト2巡目指名権を手放し、デトロイト・ピストンズからデリック・ローズの獲得に成功した。

 2016-17シーズンにニックスでプレーし、平均18.0点、4.4アシストを残したローズにとっては4シーズンぶりの古巣復帰となったが、今回の移籍で最も大きな注目を集めたのは恩師トム・シボドー・ヘッドコーチ(HC)との再会だろう。

 シカゴ・ブルズで5年間、ミネソタ・ティンバーウルブズで1年半シボドーの下でプレーしたローズは、11年にシーズンMVPを獲得するなどリーグ有数の選手へと成長。19年にウルブズの指揮官から解任された後も、シボドーはローズについて「彼は健康であれば、非常にいいプレーをしていた。平均18.0点を残した昨シーズンは、実に素晴らしかった。彼は今シーズン、(ピストンズで)驚異的な存在になると思うよ。彼の活躍はとても嬉しいし、彼のことをとても誇りに思う」と話していた。

 そして9日のマイアミ・ヒート戦前の会見で、シボドーはローズを獲得した理由について次のように語っている。

「私が良く知っている人物なのは間違いない。私たちはこれまで、ともに数多くのことを経験してきたからね。でも最も重要なことは、彼がこのチームに貢献できると感じたから。私は有能な選手たちのことが大好きでね。いい選手であれば、私は(獲得に)興味がある。それに彼ならこのチームに多くのことを持ち込んでくれると思っている。彼の性格も知っているし、どんなチームメイトなのかも分かっている」
 
 今季でキャリア12年目、32歳となったローズは、ピストンズではシックスマンを務め、平均14.2点、4.2アシストという成績を残している。ブルズ時代のような爆発的な得点力やエース級の働きを求めるのはさすがに酷だが、控えの切り札として、あるいは若手のメンターとして、8シーズンぶりのプレーオフ進出を手助けすることは十分可能だろう。

「彼はどんな役割でも受け入れてくれるだろう。先発できるし、ベンチからでも可能だ。短時間でも、長時間のプレーもできる。彼は今、健康そのものだと言ってくれたよ」とシボドーHCは大きな期待を寄せている。

 さらに、ルーキーのイマニュエル・クイックリーは地元紙に「彼は僕らを助けるためにここへ来たと言ってくれた。経験豊富な人から学べるのは、いつだっていい機会さ。彼はゲームについて深く知っている。そんな人から知恵を借りることができるんだから、もうベストな先生だね。すごく楽しみにしている」と語っている。

 本日の試合でニックスは96-98で敗退。古巣復帰戦を勝利で飾れなかったローズだが、自身はベンチスタートで14得点、3アシストとまずまずの数字を残した。

 このチームにはシボドーHCに加え、ブルズとウルブズで共闘したタージ・ギブソンもいる。32歳のベテランは自身の役割を忠実にこなし、ニックスのプレーオフ返り咲きを強烈にプッシュする存在になることができるだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)

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