NBA

バスケットボールのさらなる発展に!FIBAが立ち上げた“メンター育成プログラム”とは?<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.04.21

FIBAが立ち上げた新プログラムに、『プレーヤーズ・コミッション』の委員長ノビツキーも大きな期待を寄せている。(C)Getty Images

 ハイレベルな競技者を目指す上では、ただひたすら競技に打ち込むだけでなく、メディア対応や金銭面の管理、注目度との付き合い方、日常生活とキャリアのバランス、若い選手であれば学業との両立など、さまざまな状況と向き合っていく必要がある。

 それらに神経を使うことは、時にパフォーマンス向上の妨げになるが、逆に正しいスキルを身につけることで、成長を加速させることも可能だ。ゆえに、そうした生活面と競技面のバランスを上手く取っていく方法や取り組み方を指南してくれる師、いわゆる"メンター"の存在があれば、それは大きな助けになる。

 ということで、国際バスケットボール連盟(FIBA)はこのたび『プレーヤーズメンターシッププログラム』なるプロジェクトを立ち上げた。これは、FIBAに加盟している全213の団体に、男女ともに"メンター候補"となるその競技の自国での一人者を推薦してもらい、彼らにオンラインでメンター育成プログラムを受講してもらう、というものだ。
 
 育成プログラムは次の3要素で構成されている。

①アスリート・ライフスタイル・メンター資格
②FIBA Off-Court Guide
③それぞれの国における、学業との両立について論文執筆

 ①は、近年イギリスなどで注目度が上がっている職業資格で、トップレベルのアスリートへの生活、学業面のサポートを専門とするイギリスの機関、『Talented Athlete Scholarship Scheme (TASS)』の協力のもと、アスリートがパフォーマンス向上を目指す上で重要となる生活スタイルや価値観、姿勢、ワークエシックなどに的確なアドバイスを与える術を学ぶ。

 スポーツで高いレベルを目指すには、身体的な鍛錬が重要であることに変わりはないが、もっとも効果的な形でそれを実践していくには、目的意識や、難題にぶち当たったときにいかに解決し乗り越えるか、といった"オフ"の部分でのメンタルコントロールも非常に重要だ。この講習では、的確なアドバイス法を学んだり、選手に理想的な競技環境を作ってあげられるよう、メンター自身が有益なネットワークを構築する術も習得する。
 
NEXT
PAGE
ノビツキー委員長率いる『プレーヤーズ・コミッション』のメンバーもプログラム立ち上げを支援