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NBA

八村塁やストックトンからの学びを胸に。初の全米制覇を目指すゴンザガ大、ジョエル・アヤイの成長記〈DUNKSHOOT〉

小川由紀子

2021.03.20

今年のNCAAトーナメントで優勝候補筆頭に挙げられるゴンザガ大。その主軸を担うのがフランス出身のアヤイだ。(C)Getty Images

今年のNCAAトーナメントで優勝候補筆頭に挙げられるゴンザガ大。その主軸を担うのがフランス出身のアヤイだ。(C)Getty Images

 現地3月18日、アメリカの大学バスケ界最大のイベント、NCAAトーナメントが開幕した。

 優勝候補に挙がっているのは、ウエストコースト・カンファレンス(WCC)王者で、シーズン26戦に全勝している八村塁の母校、ゴンザガ大学だ。八村が1年生だった2017年には準優勝とあと一歩まで迫ったが、同大の歴史でまだ一度も頂点には立てていない。

 その『Zags』で活躍が期待されているのが、その年最高のシューティングガードに贈られる「ジェリー・ウエスト・アウォード」のファイナリスト5人にも選出されている、フランス人のジョエル・アヤイだ。

 アヤイ家は、元プロ選手の父に、4人の兄弟姉妹も全員プレーヤーというバスケ一家。6歳年上の姉ヴァレリアンはフランス代表の一員として16年のリオ五輪で準決勝進出に貢献、弟のジェラルドも今シーズンからフランスの名門ポー・オルテーズでプロデビューしている。
 
 幼少時から、アヤイのロールモデルだったのは、姉のヴァレリアンだった。試合があると、姉は必ずプレーについてコメントを送ってくれた。子どもの頃から姉を相手に1オン1 を繰り返し、ドリブルやシューティングを磨いたという。

 その後、トニー・パーカーやボリス・ディーオウなど数々のNBA選手を輩出したフランスの国立エリートアスリート養成所(INSEP)で腕を磨き、オファーをもらったいくつかの大学から中からゴンザガ大を選択。ちなみに、ロニー・トゥリアフや現在メンフィス・グリズリーズで2WAY契約を結ぶキリアン・ティリーも同じルートを辿っている。アヤイは1年分の選手資格を温存できる“レッドシャツルール”を利用して、1年早い17歳で入学した。

「正直、体力的にもまだ準備できていなかった。プレー面でも、使う用語や筋トレの仕方すらよくわかっていなかった。それにカルチャーの違いもあった。(試合に出られない)1年は長いけれど、結果的にはよりプラスになると信じてひたすら頑張った」。アヤイはフランスメディアのインタビューで当時を振り返っているが、17歳の青年にとって、最初は辛い日々だった。
 
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