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8年ぶりのプレーオフを狙うニックスに欧州から強力助っ人加入か。“もっと観たくなる選手”ルカ・ビルドーサのすべて<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.05.02

はたしてビルドーサは、8シーズンぶりにプレーオフを狙うニックスのラストピースとなれるか。(C)Getty Images

 現在、ブルックリン・ネッツと10日間契約真っ最中のマイク・ジェームズ。今季の彼はネッツ加入前までCSKAモスクワでプレーしていたが、今シーズン中にまた1人、ユーロリーグの猛者がアメリカに上陸するかもしれない。

 それはスペインのバスコニアに所属するアルゼンチン代表のガード、ルカ・ビルドーサだ。報道によれば、ニューヨーク・ニックスがバスコニアと、現行の2024年までの契約を解消するための金銭交渉に入っているという。

 スペインはバスク地方のビットリアを拠点とするバスコニアは、1959年に創立された。世紀の変わり目、1990年代~2000年代にかけてめきめきとレベルを上げ、2001-02シーズンにスペインのACBリーグで初優勝。その頃から常連となったユーロリーグでは準優勝止まりとまだ栄冠はないが、欧州のバスケ大国スペインで強豪の一角を担っている。
 
 そのバスコニアに、昨シーズン10年ぶりの国内タイトルをもたらし、ファイナルMVPにも選ばれたのがビルドーサだ。ちなみに10年前に優勝した時のファイナルMVPは、サンアントニオ・スパーズなどで活躍し、現在はネッツでアシスタントコーチを務めるブラジル人センターのティアゴ・スプリッターだった。

 ビルドーサは生まれ故郷アルゼンチン、ブエノスアイレス郊外にあるプロクラブのキルメスで、16歳でプロデビュー。2017年のドラフトに当時21歳でエントリーしたが無指名に終わると、その後の2017-18シーズンからバスコニアでキャリアをスタートさせた。

 もっともバスコニアはビルドーサに早くから目をつけていて、2016年夏に契約。成長の時間を与えるべく、出身クラブに1年間レンタルバックしていた。

 バスコニアでデビューした時のヘッドコーチは、同胞のパブロ・プリジオーニ。現在ミネソタ・ティンバーウルブズのアシスタントコーチを務める彼も、現役時代に所属していたバスコニアから、2012年夏にニックスへ移籍していた。ビルドーサの今回の話がまとまれば、同胞の先輩の足跡を辿ることになる。
 
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