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驚異の20リバウンド、20アシストを記録したウエストブルック。178回目のトリプルダブルで、ロバートソン超えまであと4回に〈DUNKSHOOT〉

秋山裕之

2021.05.05

ウエストブルックはペイサーズ戦で14得点、21リバウンド、24アシストと大暴れ。今季7試合を残して、キャリア4度目の平均トリプルダブルを決めた。(C)Getty Images

「ポイントガード(PG)たちがやることじゃない。彼はノーマルではないんだ。彼らはそうやってプレーを構築してきたんじゃない。彼よりもシュートがうまい選手は何人かいるだろう。だがバスケットボール史上、彼のようにスタッツシートを埋め尽くしてしまう選手はいないと思うね」

 ワシントン・ウィザーズのスコット・ブルックス・ヘッドコーチが口にした"彼"とはもちろん、ラッセル・ウエストブルックのこと。32歳の熱血漢は、5月3日(日本時間4日、日付は以下同)に行なわれたインディアナ・ペイサーズ戦で今季32回目のトリプルダブル(14得点、21リバウンド、24アシスト)をマークし、ウィザーズを154-141の勝利へと導いた。

 この日のウィザーズは、NBA100試合目となった八村塁がチームトップの27得点に7リバウンド、ブラッドリー・ビールが26得点、6アシストを記録するなど9人が2桁得点をあげた。

「個人的なことだけど、俺はリーグでベストなプレーメーカーだという気がしている」と話した稀代の万能型PGは、今季キャリアハイの平均11.2アシストでリーグトップを快走。この日はリバウンドでキャリアハイ、アシストでも自己最多タイという驚異的な成績を残している。
 
 そしてキャリア2度目の20リバウンド、20アシスト以上を達成したことで、ウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか/1度)を抜いて歴代単独首位へと浮上。これはNBA史上2人しか達成していない偉業である。

 さらに、ペイサーズ戦の超絶パフォーマンスによって、自身4度目となる"平均トリプルダブル"も7試合を残して確定。

「どんな夜であろうと、俺はインパクトを残してチームを引っ張っていく方法を模索しようとしている。今日は多くのことがうまくいった日のひとつ。ポイントガードとして、俺は周りの選手たちを向上させていかなきゃならない。そしてそれまでの努力やエナジー、費やしてきた時間、映像チェックしてきた時間、さらにはチームメイトたちを向上させることに、ものすごくプライドを持っている」(ウエストブルック)

 このままのペースでウエストブルック(通算178回)がレギュラーシーズン最終戦までフル稼働となれば、今季中にオスカー・ロバートソン(元シンシナティ・ロイヤルズほか/181回)を抜き、不可能と思われていたトリプルダブルの通算回数でもNBA史上最多へと順位を上げることになるかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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