東京五輪

日本の相手はドンチッチのスロベニアかサボニスのリトアニアか、それとも…【五輪最終予選プレビュー|PART. 3】 <DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.06.23

同クループではNBAスターのドンチッチ(左)がエースを務めるスロベニアと、サボニス(右)率いるリトアニアの頂上決戦が予想される。(C)Getty Images

 6月29日から7月4日にかけて、カナダのビクトリア、クロアチアのスプリト、リトアニアのカウナス、そしてセルビアのベオグラードの4都市で、東京オリンピックの男子バスケットボール最終予選が行なわれる。

 オリンピックの出場枠は全部で12。ホスト国の日本と、2019年のFIBAワールドカップ(W杯)から7か国がすでに自動的に出場権を得ていて、今回の最終予選で、ラスト4枠を決める。

 この最終予選に参加できるのは、ワールドカップで出場権を得た7か国(スペイン、アルゼンチン、フランス、オーストラリア、アメリカ、ナイジェリア、イラン)を除いた上位16か国と、アメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、アジア&オセアニアの各大陸からワイルドカード枠をゲットした2か国ずつの、計24か国。ただしワールドカップを19位で終えてこの最終予選に出場資格のあったニュージーランドは、連盟の方針で辞退したため、代わって次回のワールドカップ主催国でもあるフィリピンが選ばれた。

 それぞれの会場では、6チームが、グループAとBの2つに分かれて総当たり戦を行ない、各グループの上位2チームがセミファイナルに進出。勝者が東京行きを賭けた決勝戦に挑む。

 つまり、オリンピック出場権を得るのは、各会場から1チームのみだ。

 欧州でも特にバスケ熱が盛んなリトアニアとセルビアが自国で戦うという大きなアドバンテージはあるが、どのグループも「勝ち抜けは間違いなくここ」という一頭レースにはなりそうにない、混戦が予想される。

 ここでは、グループごとに最終予選の見どころをチェックする。今回はリトアニア会場。同グループにはNBAファンもお馴染みのルカ・ドンチッチ、彼の母国であるスロベニア、そしてドマンタス・サボニスのいるリトアニアが入っており、両チームの直接対決は熾烈なものになりそうだ。
 
■グループA 会場:カウナス(リトアニア)
リトアニア(9位)
韓国(26位)
ベネズエラ(14位)
※カッコ内は19年W杯での順位

 リトアニア会場は、欧州きってのバスケタウンであるカウナスで戦う利を得た地元リトアニアが断然有利だ。今季、インディアナ・ペイサーズで平均20.3点を叩き出したドマンタス・サボニスと、メンフィス・グリズリーズで17.1点をあげたヨナス・ヴァランチュナスの2人のビッグマンは強力。

 さらに欧州組も地元ジャルギリスで一緒にプレーしているメンバーら、実力派が揃う。なかでもガードのマリウス・グリゴニスは、今季ユーロリーグで3ポイントを45.6%の高確率で決めるなど、リトアニアのお家芸である精度の高いシューティングを体現している。

 彼らがグループリーグで戦うベネズエラは、15年のアメリカップに優勝し、翌年のリオ五輪に出場。今予選も当時のメンバー7人が中心で、平均年齢31歳の熟練チームだ。

 韓国は、アメリカから帰化した19年W杯の得点王(平均23.0点)ラ・グナを軸に攻撃を仕掛けてくるだろうが、リトアニアの組織ディフェンスを打ち破るほどのチーム力はない。
 
NEXT
PAGE
ドンチッチは休暇返上で代表に参加しオリンピック出場を目指す