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「1対1で俺をガードできるヤツはいない」3度の大怪我と解雇を乗り越えたカズンズの揺るぎない自信<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.06.30

カズンズ(中央)はサンズとの第5戦、わずか11分の出場でチーム4位の15得点をマークし、勝利に大きく貢献した。(C)Getty Images

 現地時間6月28日(日本時間29日、日付は以下同)に行なわれたフェニックス・サンズとロサンゼルス・クリッパーズのウエスタン・カンファレンス・ファイナル第5戦。シリーズ成績1勝3敗と追い込まれたクリッパーズは、カワイ・レナード(右ヒザの捻挫)に加え、センターのイビツァ・ズバッツも右ヒザを痛めて欠場するという事態に陥った。

 だがクリッパーズはポール・ジョージがいずれもゲームハイとなる41得点、13リバウンドに6アシスト、3スティール、レジー・ジャクソンが23得点、マーカス・モリスが22得点の活躍。試合の大部分でリードを奪い、116-102でサンズを下した。

 レナードという大黒柱不在という劣勢で、申し分ないパフォーマンスでチームを牽引したジョージは試合後に「俺たちはこの瞬間にうまく対処している。一丸となってやっていきたい。このチームはタフネスでできているんだ。これから先も俺たちはすべてを出し切っていくし、結果を受け入れていく」と力強く語った。

 一方、タロン・ルー・ヘッドコーチ(HC)は「彼はポストで存在感を見せていた。リング下でボールを持てば素晴らしいパサーなんだ。彼を抑えるのは難しいことだよ」とデマーカス・カズンズの働きを称賛。
 
 サージ・イバカ(背中)が今季残り試合の全休、ズバッツも欠場とビッグマンが手薄な中、カズンズは11分の出場で15得点(フィールドゴール7/12)、2リバウンド、3アシストで勝利に貢献した。

 ゴールデンステイト・ウォリアーズに在籍していた2019年以来、自身2度目のプレーオフを戦っているビッグマンは、この試合でプレーオフキャリアハイの得点をマーク。度重なるケガによって、キャリアはジェットコースターのように変動していったものの、その自信は揺るがない。

「フロアに足を踏み入れれば、誰が目の前にいようとも、俺こそがベストな男なんだという気がしている。1対1で俺をガードできるヤツはいないということを知っているからな」(カズンズ)

 ここ数年、カズンズは数多くのケガに泣かされてきた。18年1月にアキレス腱断裂、19年4月には左大腿四頭筋断裂を経験し、ロサンゼルス・レイカーズ加入後の19年夏には左ヒザの前十字靭帯断裂で2019-20シーズンを全休。今季はヒューストン・ロケッツで開幕を迎えるも、今年2月にチームから解雇され、4月に2度の10日間契約の末にクリッパーズと今季一杯の契約を手にした。
 
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ジョージは「彼は依然として支配的なビッグマン」とカズンズを評価