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サンズ“第3の男”エイトン。ドラ1選手としてマジック以来となる初プレーオフで優勝なるか<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.07.03

エイトンは今年のプレーオフで平均16.2点、11.8リバウンドを記録。クリッパーズとのシリーズ第2戦では劇的なアリウープを叩き込み、逆転勝利の立役者となった。(C)Getty Images

 今年のプレーオフは、昨年NBAファイナルへ進出したロサンゼルス・レイカーズとマイアミ・ヒートがともに1回戦で敗退、両カンファレンスのトップシード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ、ユタ・ジャズ)もカンファレンス・ファイナルで姿を消すなど波乱の展開が続いている。

 そうしたなか、脚光を浴びているのは2018年のドラフト組だ。全体1位指名のディアンドレ・エイトン(フェニックス・サンズ)、5位指名のトレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)はそれぞれ初のプレーオフながらカンファレンス・ファイナルに勝ち上がり、3位指名のルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)、14位指名のマイケル・ポーターJr.(デンバー・ナゲッツ)は所属チームの主力として活躍した。

 なかでもエイトンはキャリア3年目にしてサンズを攻守両面で支え、1993年以来28年ぶりのファイナル進出に大きく貢献。チームにはクリス・ポール、デビン・ブッカーというリーグ屈指のガードがいるとはいえ、エイトンは彼らに次ぐ"第3の男"として見事な活躍を見せた。

「本当にクレイジーだ。シリーズを通して僕らはついに勝ち抜いたんだ。自分はまだ3年目で、(ポールの)リアクションを見ているだけで感謝してくれていることが見てとれた。(ファイナル進出が)現実になるなんて出来過ぎにも思えるけど、これも人生さ。この夜を楽しむべきだし、これからファイナルに向けて準備していくよ」
 
 ロサンゼルス・クリッパーズとのカンファレンス・ファイナル終了後にそう語ったエイトンは、ルーキーシーズン(18-19)にウエスト最下位(19勝63敗/勝率23.2%)を経験。しかしチームは昨季プレーオフ進出まで肉薄すると、今季はポールやジェイ・クラウダーといった新戦力が見事に噛み合い、サンズは11年ぶりのポストシーズン進出、そして前述のように28年ぶりのファイナル行きの切符を手にした。

 12勝4敗でウエストを勝ち上がったサンズだが、クラウダーは「王者(レイカーズ)を打ち負かしたことで、このチームの士気は間違いなく上がったし、自信も増した。若い選手たちは昨シーズンの王者を下したことを理解し、自信を深めたんだ」と1回戦で前年王者を撃破したことが勢いを増す要因になったと話している。

 昨季ヒートの一員としてファイナルを戦い、サンズでも縁の下の力持ちとして貴重な働きを見せているクラウダーについて、エイトンはこう語る。

「ジェイ・クラウダーはタフだ。多大な犠牲を払ってプレーする1人でもある。勝利に貢献すべく、得点に固執するような男じゃない。それがチーム全体に浸透しているんだ。僕らはただ勝ちたい。誰が30得点しようが気にしない。正しくプレーして、試合に勝ちたいんだ」