アイザイア・トーマスと言えば、1980年代後半に“バッドボーイズ”の異名でリーグを席巻したデトロイト・ピストンズのリーダーを務めた名ポイントガード(PG)だ。優勝2回(1989、90年)、ファイナルMVP1回(90年)、オールスター出場12回、歴代9位の通算9061アシストを誇る名手は、『ニューヨーク・ポスト』のインタビューでブルックリン・ネッツのカイリー・アービングを称賛している。
“バッドボーイズ”の統領として、神様マイケル・ジョーダンの前に幾度となく立ちはだかったトーマス。ヒール役のイメージが強いが、その実力は一級品で、抜群のボールハンドリングからトリッキーなドリブルを繰り出し、フィニッシュにアシストにと相手を手玉に取った。プロ3年目の1983-84シーズンからは、4年連続で平均20点、10アシスト以上を記録している。
94年の引退後は、NBAアナリストとして歯に衣着せぬ物言いで人気を博しているが、7月には「NBA史において、PGで平均20点、13アシスト以上を記録した選手。アイザイア・トーマス:1984-85シーズン/平均21.2点、13.9アシスト。他に誰1人としていない」というツイートを引用する形で、「知っておいてもらおうか」と発信するほど、功績への自負も強い。
そんな男が、自分と同列に近い評価を与えているのが同じ攻撃型PGのアービングだ。
アービングは2011年のドラフト1位指名でクリーブランド・キャバリアーズに加入し、ルーキーイヤーから順調にスターの階段を登ってきた。レブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)と共闘した2015-16シーズンにはNBAタイトルも獲得。ボストン・セルティックスを経て、19-20シーズンからネッツでプレーしている。
今季はともに“ビッグ3”を担うケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデンがそれぞれ一時離脱するなか、レギュラーシーズンではリーグ9位の平均26.9点、FG成功率50.6%、3ポイント成功率40.2%、フリースロー成功率92.2%と、エリートシューターの証である「50-40-90」(FG成功率50%以上、3ポイント成功率40%以上、フリースロー成功率90%以上)をクリア。しかし、プレーオフではカンファレンス準決勝第4戦で右足首を痛め、戦列に戻れないままチームも無念の敗退となった。
88年のNBAファイナルで右足首を痛め、初優勝を逃すとともに、晩年は故障を抱えながら戦った経験を持つトーマスは、アービングの“苦しみ”に理解を示しつつ、その存在を高く評価している。
「カイリーは自分のコースを作ったオリジナルの存在だ。私やマジック(ジョンソン)、オスカー(ロバートソン)のように、独自のスタイルを持った異端児。それをほかの連中があとから来て、コピーするんだ。カイリーはバスケットボールでジャズを演奏している」
近年の言動でヒール役が定着してしまったアービングだが、そのテクニックは名手アレン・アイバーソンをしのぐとも言われる。トーマスの言うように、後世に語り継がれる存在として、地位を確立できるだろうか。
構成●ダンクシュート編集部
“バッドボーイズ”の統領として、神様マイケル・ジョーダンの前に幾度となく立ちはだかったトーマス。ヒール役のイメージが強いが、その実力は一級品で、抜群のボールハンドリングからトリッキーなドリブルを繰り出し、フィニッシュにアシストにと相手を手玉に取った。プロ3年目の1983-84シーズンからは、4年連続で平均20点、10アシスト以上を記録している。
94年の引退後は、NBAアナリストとして歯に衣着せぬ物言いで人気を博しているが、7月には「NBA史において、PGで平均20点、13アシスト以上を記録した選手。アイザイア・トーマス:1984-85シーズン/平均21.2点、13.9アシスト。他に誰1人としていない」というツイートを引用する形で、「知っておいてもらおうか」と発信するほど、功績への自負も強い。
そんな男が、自分と同列に近い評価を与えているのが同じ攻撃型PGのアービングだ。
アービングは2011年のドラフト1位指名でクリーブランド・キャバリアーズに加入し、ルーキーイヤーから順調にスターの階段を登ってきた。レブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)と共闘した2015-16シーズンにはNBAタイトルも獲得。ボストン・セルティックスを経て、19-20シーズンからネッツでプレーしている。
今季はともに“ビッグ3”を担うケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデンがそれぞれ一時離脱するなか、レギュラーシーズンではリーグ9位の平均26.9点、FG成功率50.6%、3ポイント成功率40.2%、フリースロー成功率92.2%と、エリートシューターの証である「50-40-90」(FG成功率50%以上、3ポイント成功率40%以上、フリースロー成功率90%以上)をクリア。しかし、プレーオフではカンファレンス準決勝第4戦で右足首を痛め、戦列に戻れないままチームも無念の敗退となった。
88年のNBAファイナルで右足首を痛め、初優勝を逃すとともに、晩年は故障を抱えながら戦った経験を持つトーマスは、アービングの“苦しみ”に理解を示しつつ、その存在を高く評価している。
「カイリーは自分のコースを作ったオリジナルの存在だ。私やマジック(ジョンソン)、オスカー(ロバートソン)のように、独自のスタイルを持った異端児。それをほかの連中があとから来て、コピーするんだ。カイリーはバスケットボールでジャズを演奏している」
近年の言動でヒール役が定着してしまったアービングだが、そのテクニックは名手アレン・アイバーソンをしのぐとも言われる。トーマスの言うように、後世に語り継がれる存在として、地位を確立できるだろうか。
構成●ダンクシュート編集部