NBA

「引退するつもりはない」失意のポールが今季を総括。今オフは「どの部分でもっと上手くなれるか突き詰める」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.07.22

36歳のポールは自身初のファイナル出場を果たしたが、優勝まであと一歩届かなかった。(C)Getty Images

 7月20日(日本時間21日)、2勝3敗と追い込まれたフェニックス・サンズは、背水の陣でミルウォーキー・バックスとのNBAファイナル第6戦に臨むも、98-105で敗れて今シーズンを終えた。

 サンズは13点ビハインドで迎えた第2クォーターを31-13と圧倒し、リードして前半を終了。第3クォーターに逆転を許したものの、77-77の同点で迎えた最終クォーターにはクリス・ポールの3ポイントプレーやミドルジャンパーなどで必死に食らいついた。しかし、終盤は4点差までしか詰め寄ることができずに第3戦から4連敗。悲願の初優勝は夢と消えた。

「今は、自分たちにはもっとできたんじゃないかと理解しようとしている。この敗戦はタフだよ。このチームは素晴らしいグループで、申し分ないシーズンを送ることができた。でもこの敗戦はしばらく僕らのことを苦しめるだろうね」
 
 試合後の会見でそう話したポールは、フィールドゴール成功率57.9%(11/19)でチームトップの26得点に5アシスト。36歳の大ベテランは、ターンオーバーを多発して苦しむ試合こそあったものの、シリーズ平均21.8点、8.2アシスト、フィールドゴール成功率55.0%、3ポイント成功率52.2%と、熟練のスキルを随所に発揮し、リーグ有数の司令塔であることを見せつけた。

 今季終了後、来季の契約(プレーヤーオプション)を破棄して完全フリーエージェント(FA)になることができるポールだが、本人は「仕事に戻るさ。僕は引退するつもりはない。君たち(メディア)が聞こうとしているならそう言っておく。僕は(夏の間も)練習に励んでいくよ」と現役を続けることを明言。

 サンズはデビン・ブッカーやディアンドレ・エイトン、ミカル・ブリッジズ、キャメロン・ジョンソンといった若手が来季も契約下にあり、ベテランのジェイ・クラウダーもロースターにいる。今季は初優勝まであと2勝に迫っただけに、ポールがこのチームを離れる理由があるとは思えない。
 
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躍進した今季を総括「僕らはシーズンを通して成長してきた」