８月８日、東京五輪女子バスケットボールの決勝が行なわれ、FIBA世界ランク10位の日本は、同１位のアメリカと対戦し、75−90で敗れた。目標の金メダルまではあと一歩届かなかったが、男女通じて史上初となる銀メダルを獲得した。

　試合は、序盤から高さを生かしたアメリカの攻撃の前に、日本は劣勢に立たされる。持ち味の３ポイントを武器になんとか食らいつくも、五輪６連覇中の絶対王者にはわずかに及ばなかった。しかし、最後まで日本は自らのスタイルを貫き、堂々たるプレーを見せた。

　海外メディアも、日本の戦いぶりには賛辞を送っている。

　英メディア『The Guardian』は、最終スコア75−90を「シンプルにサイズと経験であまりに多くの優位を持っていたチームに対し、どれほど日本が上手くプレーしたかを示す妥当なスコア」とポジティブに評した。最多の17得点をあげた高田真希、「積極的なスタイルを持った」本橋菜子、「８得点６アシストという数字の小ささが意外なほど印象的なプレーヤー」町田瑠唯の３人の名前を挙げて称賛し、日本の今後についても、「この素晴らしいスタイルのバスケで、世界の舞台にとどまることができる」と大きな期待を示した。
  　米メディア『ESPN』も、日本に関して「バランスの良い得点力を持ったチーム。全員が３ポイントシューターになることができ、１試合平均13本の３ポイントと41％の成功率を記録してきた。これは世界中のあらゆるチームが羨む数字だ」と綴り絶賛した上で、日本の力負けを以下のように振り返った。

「日本代表は効率的で賢明なゲームプランを組み立て、教則ビデオを作れるほど完璧にそれを遂行した。全員がシュート、ドリブル、パスをできることを見せつけ、素晴らしいバスケを披露した。だが、この世にアメリカのサイズに見合うチームは存在せず、日本は特にそこが試された。彼女たちはブリトニー・グリナーや、アジャ・ウィルソンのポストの存在感への解決策を持ち合わせていなかった」

　大会前にFIBAが発表したパワーランキングでは、日本は出場12か国中の８位に位置付けられていた。しかし、いざ始まれば格上のフランス、ベルギーを次々に倒し、見事前評判を覆す躍進を果たした。来年に控えるワールドカップ、そして前回大会の銀メダリストとして臨む３年後のパリ五輪に、期待の膨らむ結果となった。

構成●THE DIGEST編集部

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