東京五輪

女子バスケ決勝で今大会初めて感じた“ホーム感”! ボランティアの手拍子応援が感動的だった【東京五輪】

江國 森(THE DIGEST編集部)

2021.08.08

アメリカとの決勝で日本をサポートしたのはボランティアによる手拍子だった。写真:JMPA代表撮影

 8月8日、東京オリンピックの最終日に、いいものを見せてもらった。

 会場はさいたまスーパーアリーナ。女子バスケットボールの決勝が行なわれ、初めてファイナルに進出した日本代表が、大会6連覇中の強豪アメリカに挑んだ。だが、世界ランキング1位を誇る絶対女王の壁は高く、75-90で敗れている。

 試合中、スタンドにはこの東京五輪の運営を支えたボランティアの方々が、青い制服を着て座っていた。100人前後はいただろうか。試合が始まると、声は出せないものの、手拍子で日本代表を応援。時には全員でリズムをとって、手を鳴らした。
 
 今大会は無観客のためどこの会場でもホーム感がなく、卓球会場では中国の大声援に、アウェー感を感じることさえあった。だが、バスケットボール会場で初めて、ホームの雰囲気を感じることができた。

 圧巻だったのは第4クォーターだ。大差をつけられながらも、最後まで力を振り絞る日本が連続ポイントをマークすると、会場の一体感は最高潮に。その光景は感動的ですらあった。

 あるボランティアの方に話を訊くと、スタンドで観戦していたのは、休憩中のボランティアの方たちだという。バスケットボール会場では、グループリーグの段階では、4階席を開放し、休憩時間に試合を見られるようにしていたという。

 だが、決勝トーナメントに入ってから、1階席に変更されたのだそう。女子日本代表の快進撃も理由だったのだろうか。「やはり、今日はいつもより多いですね」と教えてくれた。

 ただ、「私たちは休憩する暇もないんですよ」という本音も。担当する係によっては、試合を観戦している暇はないようだ。

 キャプテンの高田真希は試合後、「今日もたくさんのボランティアの方々がいました。たくさんの人たちの協力のおかげで自分たちはプレーできている。本当に感謝しています」と謝意を表わした。

 この先、ボランティアの方たちが観客席を埋める大会はもうないだろう。そういう意味では、コロナ禍で無観客開催となった東京五輪を象徴するシーンのひとつだったと言えるかもしれない。

取材・文●江國 森(THE DIGEST編集部)

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