NBA

初優勝を目指すネッツに豪東京五輪戦士は何をもたらすか?本人は「“勝利するカルチャーと環境”からやってきた」と自信<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.08.29

東京五輪では敵同士だったミルズ(左)とデュラント(右)。しかしこれから始まるNBAの新シーズンでは、ともにネッツを初優勝を目指し共闘することになる。(C)Getty Images

 現地時間8月26日、今夏にサンアントニオ・スパーズからブルックリン・ネッツへのFA(フリーエージェント)移籍を決断したパティ・ミルズが、メディアに向けて初の会見を行なった。

 185センチ・81キロの小兵ガードは、昨季までスパーズに10シーズン所属。2013、14年にNBAファイナルへ出場し、うち2014年には優勝を経験。その後はリーダーの一角としてチームメイトたちの模範となり、グレッグ・ポポビッチHC(ヘッドコーチ)からも絶大な信頼を得ていた選手だ。

 昨季までのキャリア12シーズンで、通算739試合(うち先発は57試合)に出場。平均19.8分のプレータイムで8.9点、2.3アシスト、3ポイント成功率38.8%という数字をマークしている33歳のベテランは、豊富な運動量と闘争心を前面に押し出してプレーする熱血漢で、自信満々にショットを繰り出す男でもある。

 オーストラリア代表の得点源として参戦した今夏の東京オリンピックでは、準決勝でアメリカ代表に敗れるも、スロベニア代表との3位決定戦で42得点に9アシストと大暴れ。銅メダルを獲得する原動力となった。
 
「毎日、何かのために練習している。それはエキサイティングな感覚なんだ。自分たちがジムやウェイトルームにいることは、チャンピオンシップ獲得のため、そしてチームがより良くなるためなんだ」

 会見でそう口にしたミルズは、こうも続けた。

「すべてはそこから始まるんだと思う。個人として、このグループを成長させるためには何ができるのか?そこがスタート地点になるんだ。ロッカールームやコート外で多くのことが始まることだってある。(チームへ合流して)一丸となってやっていくこと、そしてすでに確立されたグループに自分を刷り込むことができるのは、僕にとって素晴らしい機会なんだ」

 ネッツは東京オリンピックで激突したケビン・デュラントに加え、ジェームズ・ハーデン、カイリー・アービングというリーグ屈指の実力者を擁する。その周囲にはブレイク・グリフィンやブルース・ブラウン、ジェームズ・ジョンソンといった有能な選手たちも揃っており、今季も豪華戦力を有していると言っていい。

「このチームのスタイルと自由なところは、(ヘッドコーチの)スティーブ(ナッシュ)が素晴らしい仕事をしたからこそ出来上がったものだと見ている。今このチームには世界でもベストなプレーヤーが3人もいるんだから、彼らと一緒にプレーできるのは楽しみでしかないね。それに僕は上手くやっていけると思っている。そして、僕はこのチームでゲームについて学び続けたいし、自分のゲームを向上させたくてたまらないんだ」
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「シーズンはマラソンのようなもの」とたとえたミルズ