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“ブレイザーズ愛”を語ったカーメロ。キャリアのどん底を支えた“最も身近な存在”の言葉<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.08.30

一時はキャリアのどん底を味わったカーメロ。しかしブレイザーズで復活し、試合を楽しむような表情も増えてきた。(C)Getty Images

 今夏に完全FA(フリーエージェント)となったカーメロ・アンソニーは、ロサンゼルス・レイカーズ入りを決断。2003年のドラフト同期であるレブロン・ジェームズとともに、チャンピオンシップ獲得を目指していくこととなった。

 今からほんの3年前、カーメロはその時点でリーグ有数のスコアラーだったにもかかわらず、2018-19シーズンに加入したヒューストン・ロケッツにフィットできず、2018年11月にチームと決別。その後トレードでシカゴ・ブルズへ移籍したものの、直後に解雇され約1年間を無所属のまま過ごすなど、どん底を味わっていた。

 だが、2019-20シーズン序盤にポートランド・トレイルブレイザーズと契約を結び、キャリアが好転する。先発パワーフォワードとして平均15.4点、6.3リバウンド、1.5アシストをマークすると、第二幕となったシーディングゲーム(順位決定戦)でも勝負所で長距離砲を突き刺す活躍を披露し、プレーオフ進出に貢献。昨季はシックスマンの役割を受け入れ、平均13.4点、3.1リバウンド、1.5アシスト、さらにキャリアハイとなる3ポイント成功率40.9%を記録してみせた。
 
 8月19日(日本時間20日、日付は以下同)にYouTubeへ公開された人気ポッドキャスト番組『ALL THE SMOKE』へ出演した際、カーメロはブレイザーズ時代についてこう振り返った。

「ポートランドは本当に信頼できた。彼らは俺をすぐにプレーさせてくれたんだ。その当時、俺が最も求めていたのはプレーすること。俺はバスケットボールを愛していて、コートに立ちたかった。そこで俺はデイム(デイミアン・リラードの愛称)、CJ(マッカラム)とプレーし、彼らも歓迎してくれたよ。ポートランドという街もそうだし、あの組織も両腕を広げて受け入れてくれたから、俺が持つすべてを持ち込もうと思ったのさ」

 そのブレイザーズでは2シーズンをプレーし、そして今回退団することとなったカーメロ。リーダーを務めるリラードに対しては、こう感謝を述べていた。

「デイムは最高だ。彼はいつも『俺たちは誰がなんと言おうが気にしない。あなたがプレーできることはわかっている。俺もそう思っているし、これまでもずっと観てきた』という感じで接してくれた。そういうヤツがいてくれると、一緒にプレーしていて最高だし、ああいった状況をだいぶ楽にしてくれるんだ」
 
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