NBA

アービングの1年前の発言にレジェンドのペイトンが“口撃”「コーチ陣をリスペクトすべきだ」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.09.03

現役時代にトラッシュトーカーとして鳴らしたペイトン(左)が、アービング(右)に苦言を呈した。(C)Getty Images

 今年6月、殿堂入りのレジェンド、ゲイリー・ペイトン(元シアトル・スーパーソニックスほか)がリンカーン大学のヘッドコーチ(HC)として複数年契約を結んだとアメリカの複数メディアが報じた。

 カリフォルニア州オークランドで生まれ育ったペイトンにとって、同大はホームタウンにある大学である。NBAキャリア17シーズンを送ったペイトンは、ディフェンスからスコアリングまでハイレベルでこなす万能PGとして鳴らし、オールスター、オールNBAチーム、オールディフェンシブチームにそれぞれ9度選出。1996年にはPGとしてNBA史上唯一となる最優秀守備選手賞に輝いたほか、2006年にはマイアミ・ヒートの一員として優勝を経験した。

 その一方で、試合中にマッチアップ相手を"口撃"する稀代のトラッシュトーカーとしても有名。引退後も自慢のトークを披露しているが、今回の矛先はブルックリン・ネッツのカイリー・アービングへ向けられた。
 
 昨季開幕前のこと。ネッツには就任1年目のスティーブ・ナッシュHC、アシスタントコーチにマイク・ダントーニやイーメイ・ユドカといった錚々たる顔ぶれが名を連ねたものの、アービングは「僕はこのチームにヘッドコーチがいるとは見ていない。どういうことか分かるよね? KD(ケビン・デュラント)がなるかもしれないし、僕がなるかもしれないね」という言葉を残していた。

 それから約1年が経過し、ネッツはダントーニとユドカがチームを退団。アービングが選手としてリスペクトするナッシュを指揮官に据えたネッツはケガ人続出のなかでイースタン・カンファレンス2位の48勝24敗(勝率66.7%)を残し、プレーオフではカンファレンス・ファイナル進出まであと一歩に迫る戦いを見せた。

 デュラントや途中加入のジェームズ・ハーデンのケガもあり、ネッツはベストメンバーでプレーオフを戦い切ることはできなかったものの、ナッシュは指揮官として選手たちへ親身になって接し、就任初年度としては決して悪くない結果を残した。
 
NEXT
PAGE
ペイトンがカイリーへ「俺だったらあの男に必要なこと全てを持ち込める」