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NBA

バスケをより深く知るために。NBAのコーチやスカウトが注目する“アシストの前のアシスト”を解説<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.02.11

注目のスタッツである「セカンダリーアシスト」。今季はアシスト王のポールに加え、カリー(右)とコンリー(左)もリーグ最多を記録している(C)Getty Images

注目のスタッツである「セカンダリーアシスト」。今季はアシスト王のポールに加え、カリー(右)とコンリー(左)もリーグ最多を記録している(C)Getty Images

 一昔前と比べて、スタッツが格段に細密化している昨今のバスケットボール界。得点・アシスト・リバウンド・スティール・ブロック…といった従来の記録以外にも、さまざまな指標で選手の能力や勝敗への影響を測るデータが出てきている。

 そのなかでも得点に直結する貢献度を示すデータとして、より多角的に分析されているのが「アシスト」だ。

 ゴールにつながったラストパスである従来のアシスト以外にも、「セカンダリーアシスト」や「スクリーンアシスト」は、NBAが公式に数値化している。

「セカンダリーアシスト」とは、得点につながったパス(=アシスト)の、ひとつ前のパスのこと。サッカーでも、「ゴールスコアラーの2つ前にボールを触った選手を見よ」というのがスカウトマンたちの鉄則となっているようだが、場合によってはアシストよりもチャンスメイクに重要な影響を及ぼすと言われるのが、このセカンダリーアシストだ。
 
 現地時間2月9日時点、NBAで今季最多のセカンダリーアシストを記録しているのはユタ・ジャズのマイク・コンリーとゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリー、フェニックス・サンズのクリス・ポールで58本。次いでクリーブランド・キャバリアーズのダリアス・ガーランド(51本)といずれもガードの選手が続くなか、5位にビッグマンのニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ/50本)がランクイン。彼のプレーメイク力を象徴したデータだ。

 カリーが所属するウォリアーズは、チームとしてもパス意識の高い球団として知られる。40年ぶりの優勝を果たした2014-15シーズン、1試合の平均アシスト数でリーグ1位の27.4本を記録。以降も、カリーを筆頭に故障者続出で最下位に終わった19-20シーズンを除く全シーズンで年間1位をキープしている。と同時に、セカンダリーアシスト数でも今季を含めた8シーズンのうち5回最多を記録している。

 一方、「スクリーンアシスト」は直接ボールには絡まない。スクリーンをかけることでフリーになった味方が得点した場合にカウントされるものだ。

 現在「スクリーンアシスト」ランキング首位はユタ・ジャズのルディ・ゴベア。彼のスクリーンから生まれた得点も676とダントツに多い。自らの身体を張って相手を遮り、ドノバン・ミッチェルらスコアラーの切り込むルートを作り出す、というのはジャズの試合でお馴染みの光景だ。ゴベア本人も、そうした一見地味なプレーに意識的に取り組んでいるとインタビューで話している。
 
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