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NBA

37歳マルク・ガソルの今。「恩返し」のため母国スペインでクラブ運営と選手の二刀流に励む日々<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.02.14

昨夏の東京五輪でスペイン代表としては引退したガソルだが、現在は自身が設立したクラブで運営と選手の二刀流に挑戦している。(C)Getty Images

昨夏の東京五輪でスペイン代表としては引退したガソルだが、現在は自身が設立したクラブで運営と選手の二刀流に挑戦している。(C)Getty Images

 トレード・デッドラインで多くの移籍に沸いたNBAだが、そんななか「そういえばあの選手は今どうしてるんだろう?」という選手も何人か思い浮かぶのではないだろうか。

 たとえばスペイン人センターのマルク・ガソル。現在37歳のビッグマンは、2008年のNBAデビューから10シーズン半にわたってメンフィス・グリズリーズで活躍。その間3回(2012、15、17年)オールスターに出場し、13年には最優秀守備選手賞、15年にはオールNBAファーストチームにも選ばれている。

 2019年2月にトロント・ラプターズに移籍すると、そのシーズンに初優勝を経験。栄光から数か月後には、中国で開催されたワールドカップでもスペイン代表で優勝し、NBAと国際タイトルを同年に獲得した。

 2020-21シーズンはロサンゼルス・レイカーズと契約し、前半戦はスターティングセンターとして出場したもののシーズン後半戦は出場機会が激減。オフに古巣グリズリーズにトレードされ、その後に解雇となっていた。
 
 21年オフは引退や、プロ入り初期に所属した古巣バルセロナへの復帰も噂されたが、1月下旬に37歳になったガソルが選んだのは、母国で自らが設立したクラブ、バスケット・ジローナでプレーすることだった。

 昨年12月3日に初めて試合に出場すると、21分のプレータイムで19得点、16リバウンドとさっそくダブルダブルをマーク。89-47の大勝に貢献した。

 そんなオーナー兼プレーヤーという新たな挑戦をしているガソルが先日、スペインのラジオ局『Cadena SER』に近況を語った。

「もしNBAでプレーを続けることを自分が望んでいたら、いま自分はそこでプレーしていただろう。しかしそれは最優先ではなかった。自分にとっていま優先すべきは、フィジカルコンディションを整え、リカバリーすることだったんだ」

 ガソルが加わったジローナは最初の試合で連敗を7で止め、そこからの9試合は5勝4敗と調子を上げている。現在はスペインの2部リーグ「LEB ORO」で18チーム中13位と下位ではあるものの、ユーロリーグ経験もあるスペインの老舗クラブ、CBエストゥディアンテスも在籍するリーグのレベルは低くない。しかもジローナは、シニアの男子チームが発足してからまだ今年で5シーズン目の新生クラブだ。
 
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