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NBA

37歳マルク・ガソルの今。「恩返し」のため母国スペインでクラブ運営と選手の二刀流に励む日々<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.02.14

 ガソルがこのクラブを立ち上げたのは2014年。当初は『CEB(Club Escola de Basquet)マルク・ガソル』という“バスケットスクール”を冠した球団名であったように、青少年の育成を目的としたユースチームのみのクラブだった。

 ジローナの地を選んだのは、マルクが長年恩返ししたいと思っていた町だったからだ。2001年、兄のパウがグリズリーズに入団すると、ガソル一家はメンフィスに引っ越したため、マルクも同地の高校に通っていた。しかし卒業後はスペインに戻り、パウも活躍した名門バルセロナでプロデビューした。

 しかしマルクがプロ選手として飛躍するきっかけになったのは、その後2006年から2シーズン在籍したCBジローナ(現CBサンツ・ジョセップ)だった。

 そこでユーロカップ(FIBA主催のクラブコンペティション)に優勝するなど、中心選手として活躍すると、2007年のNBAドラフトでレイカーズから全体48位で指名を受けるに至った。翌シーズンはスペインのトップリーグであるACBの年間MVPにも選出され、自国で上り詰めた自信を携えてアメリカへと旅立つことができた。それ以来ずっと彼は、「自分を成長させてくれたジローナの町に恩返ししたい」という思いを抱いていたという。
 
 8年前、クラブの立ち上げ発表会に市長らとともに出席したガソルは、「皆さんのおかげで私の夢は叶いました。ジローナの皆さんが私に与えてくれたすべてのものに対して、いつか恩返しをしたいと私はずっと願ってきました。それが形になって、とても嬉しいです」とスピーチしている。

 2017年からは男子のシニア部門も加え、現在のバスケット・ジローナに名前を変えてまずは4部リーグからスタート。順調に昇格して3シーズン後の昨年には2部リーグ入りを果たし、初年度は14位で終えた。

 自身のバルセロナ復帰については、かつてのスペイン代表のチームメイトで、現在バルサのチームマネージャーを務めるファン・カルロス・ナバーロと話をしたとマルクは認めている。兄のパウはNBAに別れを告げた後、バルセロナで約半シーズンを過ごして、昨年10月に現役引退を発表した。
 
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