しかしマルクは、「彼(ナバーロ)にはただ私の現状を伝えただけで、それ以上の話はしていない。彼は私の考えを尊重し、そして理解してくれた」と、入団交渉はしていなかったことを匂わせている。
「引退するほうがイージーかもしれないと思ったこともあったが、あえて成長中のクラブを率いていくというチャレンジを選んだ。ここでは2つの異なる責任を負っている。マネジメント側、そして選手としても、日々挑戦がある。よりシンプルなのは、これまでの人生でずっとやってきた選手のほうで、これは自然にできることという感じだが、もちろん課題はある」
バルセロナから電車で1時間ほどの場所にあるジローナは、中世の面影が残る、こじんまりとした町だ。人口10万人ほどのこの町の体育館で、NBAチャンピオンが、CBジローナ時代からNBAまで背負い続けた「33番」をつけてコートを走る姿を見るのは、地元ファンにとってたまらないことだろう。
そしてマルクにとっても、未来のスターの卵がひしめくスペインで、若手の発掘、育成に取り組むのは、やりがいのある仕事に違いない。
「人は昨日のことや明日のことを考えがちだけれど、それでは今日を楽しめない。先のことは、その時の状況がどのようになっているかによって決めたらいい。2、3か月先のことをいま決断する必要はないし、そのことにエネルギーを費やすことはしたくないんだ」
今は引退については考えていない様子のマルクだが、現役選手としてプレーしながらマネジメントにも携わるというジローナでの新たな挑戦は、セカンドキャリアへと移行する理想的な形であるようだ。
文●小川由紀子
「引退するほうがイージーかもしれないと思ったこともあったが、あえて成長中のクラブを率いていくというチャレンジを選んだ。ここでは2つの異なる責任を負っている。マネジメント側、そして選手としても、日々挑戦がある。よりシンプルなのは、これまでの人生でずっとやってきた選手のほうで、これは自然にできることという感じだが、もちろん課題はある」
バルセロナから電車で1時間ほどの場所にあるジローナは、中世の面影が残る、こじんまりとした町だ。人口10万人ほどのこの町の体育館で、NBAチャンピオンが、CBジローナ時代からNBAまで背負い続けた「33番」をつけてコートを走る姿を見るのは、地元ファンにとってたまらないことだろう。
そしてマルクにとっても、未来のスターの卵がひしめくスペインで、若手の発掘、育成に取り組むのは、やりがいのある仕事に違いない。
「人は昨日のことや明日のことを考えがちだけれど、それでは今日を楽しめない。先のことは、その時の状況がどのようになっているかによって決めたらいい。2、3か月先のことをいま決断する必要はないし、そのことにエネルギーを費やすことはしたくないんだ」
今は引退については考えていない様子のマルクだが、現役選手としてプレーしながらマネジメントにも携わるというジローナでの新たな挑戦は、セカンドキャリアへと移行する理想的な形であるようだ。
文●小川由紀子