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NBA

マブズを11年ぶりの1回戦突破に導いたキッドHC。自身の在籍当時と重ね「今年の状況は似ている」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.04.30

2011年にPGとしてマブズの初優勝に貢献したキッド。今年は指揮官として2度目の頂点を目指す。(C)Getty Images

2011年にPGとしてマブズの初優勝に貢献したキッド。今年は指揮官として2度目の頂点を目指す。(C)Getty Images

 現地時間4月28日に行なわれたダラス・マーベリックスとユタ・ジャズによるプレーオフ1回戦第6戦。マブズの2点リードで迎えた最終盤、ジャズは左ウイングのボーヤン・ボグダノビッチにボールを託すと、スペンサー・ディンウィディーをポンプフェイクで交わし、ワイドオープンの3ポイントを放った。

「しまった…。『彼はあそこからミスすることはほとんどないじゃないか』と思った。もう心臓が止まったよ」

 マブズのルカ・ドンチッチが試合後に語ったように、もしこのショットが決まっていればジャズが勝利を掴み、シリーズは第7戦にもつれていた。

 だが、ジャズの選手たちやコーチ陣、そしてホームの大観衆の願いが込められたショットはリングをくぐり抜けることはなく、マブズが98-96で勝利。4勝2敗で激闘に終止符を打った。

 過去2年間、プレーオフ1回戦でロサンゼルス・クリッパーズの前に姿を消していたマブズとドンチッチにとって、初のファーストラウンド突破、そしてカンファレンス・セミファイナル進出が決定した。
 
「僕らはここへたどり着くために本当に必死になってやってきた。このチームはファーストラウンドを突破するに相応しいと思う。皆で戦い抜いたんだ」

 この試合で24得点、9リバウンド、8アシスト、2スティール、2ブロックをマークしたドンチッチはそう語り、勝利を喜んだ。マブズはほかにジェイレン・ブランソンが24得点、ディンウィディーが19得点、ドリアン・フィニー・スミスが18得点、10リバウンド、5アシストで勝利に貢献した。

 マブズがプレーオフ1回戦を突破したのは、球団史上初のNBAチャンピオンとなった2011年以来初。当時はジェイソン・キッドHCが現役で、ダーク・ノビツキーやジェイソン・テリー、タイソン・チャンドラー、ショーン・マリオンらと主軸を形成していた。

 現役時代、オールラウンドなポイントガードとして活躍したキッドHCは「自分が歳を取ったことを感じさせてくれてありがとう」と笑顔を見せつつ、当時と今を重ね合わせていた。

「あれはもうだいぶ前のこと。あの頃、多くの人たちは我々がファーストラウンドを突破するとさえ思っていなかったのを覚えている。それは今年の状況と似ている。今年のチームはスペシャルなグループなんだ。選手たちは勝利のため奮闘しつつ、楽しんでそれをやっている。この勝利がフェニックス(サンズ)とのシリーズに向けて自信を植えつけてくれるといいね」
 
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