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NBA

スーパースターが揃った“奇跡の年”。コビー獲得のためレイカーズが取った奇策とは?【NBAドラフト史|1996年】

大井成義

2019.11.20

2001年のファイナルで1996年組の両巨頭、アイバーソン(左)とコビー(右)が激突。結果は、コビーのレイカーズに軍配(C)Getty Images

2001年のファイナルで1996年組の両巨頭、アイバーソン(左)とコビー(右)が激突。結果は、コビーのレイカーズに軍配(C)Getty Images

■“史上最高の当たり年”に匹敵する逸材揃いのドラフト

“NBAドラフト史上最高の当たり年”とされているのが、1984年のドラフト組だ。リストには錚々たる顔ぶれが名を連ね、1位アキーム・オラジュワン、3位マイケル・ジョーダン、5位チャールズ・バークレー、16位ジョン・ストックトンの4人は、1996年にNBA創設50周年を記念して発表された“50人の偉大な選手”に選ばれ、もちろん殿堂入りも果たしている。

 その“史上最高の当たり年”に引けをとらない豊作年と言われているのが、今回紹介する1996年のドラフト組だ。1984年組と同様に、その後のNBAに多大なる影響を与えた逸材が、この年のドラフトで一挙に名前を読み上げられたのである。1990年代のNBAに熱狂をもたらしたのが1984年組ならば、2000年代のNBAを鮮やかに彩ったのが1996年組だった。
 
 1996年のドラフトで1位指名候補に名前が挙がっていたのは、ジョージタウン大2年生のアレン・アイバーソン、マサチューセッツ大3年生のマーカス・キャンビー、ジョージア工科大1年生のステフォン・マーブリー、コネティカット大3年生のレイ・アレンといった面々。
 
 アイバーソンはジョージタウン大のキャリア平均得点記録とシーズンのスティール数の記録を塗り替え、2年連続でビッグイースト・カンファレンスの最優秀守備選手賞を受賞。並外れた俊敏性と運動能力、そしてバスケットボールセンスを持ち、『TNT』で放送されたドラフト中継で解説を務めたヒュービー・ブラウンが、「NBAでも彼より速い選手はいない」と太鼓判を押すほどだった。

 天性のショットブロッカーとして名を馳せていたキャンビーは、翌年のドラフトで1位指名されるティム・ダンカンとともに、万能系大型選手として将来を嘱望される大器。スコアリングガードのマーブリーとアレンの2人は、近い将来フランチャイズ・プレーヤーになれるだけの素材であり、場合によっては1位指名もあり得ると考えられていた。

 事前に行なわれたドラフトロッタリーで、1位指名権を獲得したのは前季ブービーだったシクサーズ。通常であれば、最下位のグリズリーズ(当時バンクーバー)がロッタリーで最も高い獲得率を手にするはずだったが、その前年、リーグに新加入し、エクスパンション・ドラフトを実施したグリズリーズとラプターズは、規約により1位指名権を得ることはできなかった。
 

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