NBA

「去年の今頃はランニングを始めたところ」苦難を乗り越えファイナルに返り咲いたトンプソンが喜びを爆発「本当に夢のようだ」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.05.28

2度の大ケガを乗り越え、再びファイナルの舞台へ到達したトンプソン。「本当に夢のようだ」と喜びを語った。(C)Getty Images

 現地時間5月26日(日本時間27日、日付は以下同)に行なわれたウエスタン・カンファレンス・ファイナル第5戦。ゴールデンステイト・ウォリアーズはダラス・マーベリックスに一度もリードを許さず、120-110で快勝を収めて4勝1敗でシリーズを制した。

 2019年以来、3年ぶりのNBAファイナル進出を果たしたウォリアーズ。直近8年間のスパンで6度目となったが、これは1990年代に2度の3連覇を成し遂げたマイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズ以来初であり、NBA史上4チーム目の快挙となった。

 このシリーズで平均23.8点、6.6リバウンド、7.4アシストとオールラウンドな活躍を見せたステフィン・カリーは、今年から新設されたカンファレンス・ファイナルMVPを受賞。自身の経歴に新たな勲章を加えた。

 もっとも、この第5戦に限ってみれば、MVPはクレイ・トンプソンだろう。前半だけで5本の3ポイント成功を含む両チーム最多の19得点を奪うと、後半に入ってからもショットを決め続け、ゲームハイの32得点に2リバウンド、3アシスト、3ポイントは8本をマークした。
 
 トンプソンはメンフィス・グリズリーズとのカンファレンス・セミファイナル、決着がついた第6戦でも8本の長距離砲をヒット。チームトップの30得点に8リバウンド、3ブロックの大活躍を見せていた。

 直近7度のシリーズ第6戦のうち、トンプソンは6度も25得点以上を記録。そのため"Game 6 Klay"(第6戦のクレイ)と評されてきたのだが、今年のプレーオフではシリーズに終止符を打つ2試合で躍動したことから"Clinching Klay"(決着をつけるクレイ)へと変えるべきかが話題に上がっていた。

 トンプソンはそのことについて「僕は"Game 6 Klay"で十分さ。もう新たなニックネームは必要ないね」と笑みを見せていたものの、ここ数年の道のりを考えれば、感情的になったことは間違いない。

「何て言えばいいか、本当に言葉が浮かんでこない。昨年のこの時期、僕はちょうどジョギングを始めたところで、コートを行ったり来たりしていたんだ。今の気持ちを表現するなら、自分がやってきたことが確かなものだったんだと感じるね。もの凄くありがたいことさ」
 
NEXT
PAGE
グリーン、カーHCもトンプソンの活躍を称賛