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NBA

ケガさえなければNBAの歴史は変わっていた!? 全盛期に故障に見舞われた“不運な男ベスト5”<DUNKSHOOT>

出野哲也

2022.06.04

ローズ(左)、ロイ(右上)、ヒル(右下)らはいずれも新人王を受賞。将来を嘱望されたが、故障により絶頂期に長期離脱を強いられた。(C)Getty Images

ローズ(左)、ロイ(右上)、ヒル(右下)らはいずれも新人王を受賞。将来を嘱望されたが、故障により絶頂期に長期離脱を強いられた。(C)Getty Images

 バスケットボールに限らず、あらゆるアスリートにとってケガは最大の敵。場合によってはキャリアを左右するほどのアクシデントに見舞われる選手も少なくない。

『THE DIGEST』の当シリーズでは、前回キャリアを通じて欠場とは無縁だった“鉄人ベスト5”を選定したが、今回はその逆。故障が原因で全盛期を棒に振った“不運の男ベスト5”を紹介する。

【ポイントガード】
デリック・ローズ

1988年10月4日生。188cm・91kg
キャリアスタッツ:672試合、平均18.2点、3.3リバウンド、5.4アシスト
主な賞歴:新人王(09年)、MVP(11年)、オールNBA1stチーム(11年)、オールスター選出(10~12年)

 2008年のドラフト1位で生まれ故郷シカゴのブルズに入団すると、平均16.8点、6.3アシストの成績で新人王を受賞。攻撃型PGとして着実に成長を遂げ、3年目の10-11シーズンは25.0点、7.7アシスト、チームをリーグ最高勝率に導いて、史上最年少の22歳でMVPに輝いた。

 抜群の身体能力を備え、リムに向かってジャンプする光景はF-15イーグル戦闘機の離陸に例えられたほど。しかしながら翌年のプレーオフ初戦で左ヒザ前十字靭帯断裂の重傷を負い、12-13シーズンは全休。次の年には、今度は右ヒザの半月板を損傷するなどケガに祟られ続け、17年には引退を決意したとも言われた。

 それでも、ミネソタ・ティンバーウルブズ在籍時の18年10月31日、ユタ・ジャズ戦で自己最高の50得点。レブロン・ジェームズも「スーパーヒーローであることを証明してくれた」と感動したこの試合は、リーグが選ぶ同シーズン最高の瞬間に選ばれた。その後も若手の頃のようなスターではなくとも、重要なベンチメンバーとして存在感を発揮。現在は5球団目のニューヨーク・ニックスで奮戦している。
 
【シューティングガード】
ブランドン・ロイ

1984年7月23日生。198cm・98kg
キャリアスタッツ:326試合、平均18.8点、4.3リバウンド、4.7アシスト
主な賞歴:新人王(07年)、オールNBA2ndチーム(09年)、オールNBA3rdチーム(10年)、オールスター選出(08~10年)

 70~80年代に華麗なダンクで人気を博したデイビッド・トンプソンも、ケガで短命に終わった代表格。ただ、彼の場合はドラッグで自ら身を滅ぼした一面もある。その点、ロイは“ケガのせいだけで”大成できなかった選手だった。

 2006年のドラフト6位で指名を受けたウルブズからポートランド・トレイルブレイザーズにトレードされると、1年目から平均16.8点をあげて新人王に。「プレッシャーのかかる場面ほど好きなものはない」と言い切る天性のクラッチシューターであっただけでなく、常に的確な状況判断を下すことができ、数字以上に高い評価を得た。

 同じポジションのコビー・ブライアントも「大好きな選手だ。対戦していても、見ているだけでも最高に楽しい」と絶賛。2年目からは3年連続でオールスターに選ばれ、スターへの階段を駆け上がったが、10-11シーズンにヒザの負傷で47試合の出場にとどまると、27歳の若さで引退。2年後にウルブズで再起を目指したが、5試合に出ただけで再びヒザが悲鳴を上げ、わずか6年のキャリアに別れを告げた。
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