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NBA

ケガさえなければNBAの歴史は変わっていた!? 全盛期に故障に見舞われた“不運な男ベスト5”<DUNKSHOOT>

出野哲也

2022.06.04

【スモールフォワード】
グラント・ヒル

1972年10月5日生。203cm・102kg
キャリアスタッツ:1026試合、平均16.7点、6.0リバウンド、4.1アシスト
主な賞歴:新人王(95年)、オールNBA1stチーム(97年)、オールNBA2ndチーム(96、98~00年)、オールスター選出(95~98、00、01、05年)

 NFLの名選手カルビン・ヒルを父に持つサラブレッドで、マイケル・ジョーダンの全盛期に、一時はそれを凌ぐ人気を得ていた。

 デューク大から1994年のドラフト全体3位でデトロイト・ピストンズ入りし、新人王を受賞。最初の6年間で平均20点・5リバウンド・5アシスト以上を記録した5人目の選手となるなど、類い稀なオールラウンド能力を発揮した。

 コート内外で問題行動とは無縁の優等生でもあったが、サイン&トレードでオーランド・マジックへ移籍した2000-01シーズンは、足首の捻挫で出場4試合のみ。その後も同じ個所を何度も痛めた上、ヒザ痛やスポーツヘルニアなども発症。03-04シーズンは全休するなど、マジックでは7年間で200試合の出場に終わった。

 フェニックス・サンズ移籍後に健康を取り戻し、40歳まで現役を続ける息の長い選手にはなったが、最も脂が乗る時期に完全体でプレーできなかったのが惜しまれる。ヒル以外では、85年のリーグ得点王で、ニューヨーク・ニックスのスターだったバーナード・キングも、何度もヒザのケガに苦しめられた。
 
【パワーフォワード】
モーリス・ストークス

1933年6月17日生(1970年4月6日没)。201cm・105kg
キャリアスタッツ:202試合、平均16.4点、17.3リバウンド、5.3アシスト
主な賞歴:新人王(56年)、リバウンド王(57年)、オールNBA2ndチーム(56~58年)、オールスター選出(56~58年)

 アクシデントに見舞われなければ、確実にNBAの歴史に名を残したであろう名選手。同時代の殿堂入り選手ボブ・クージーは、ストークスを「器用さを備えたカール・マローン」と形容していた。

 55年にドラフト2位でロチェスター・ロイヤルズ(現サクラメント・キングス)に入団。頑強な肉体と意外なほどの敏捷さでリバウンドを奪いまくり、平均16.8点、16.3リバウンド(リーグ1位)で新人王に輝いた。翌年も1256リバウンドでタイトルを獲得。57-58シーズンは9度のトリプルダブルを記録し、プロ入りから3年連続でオールスターに選ばれた。

 ところがこの年のレギュラーシーズン最終戦でシュートを阻まれ転倒した際、頭部を強打。数分後にプレーを再開し、3日後のプレーオフにも出場したが、試合後に異状を訴え入院すると意識不明に陥る。一時の昏睡状態からは回復したものの、運動機能は麻痺したまま蘇ることはなかった。

 その後はチームメイトのジャック・トワイマンを法定後見人として車椅子生活を送り、70年に36歳で心臓発作により死去。現在、2人の名は「トワイマン・ストークス・チームメイト賞」として、リーグのアウォードに刻まれている。
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