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NBA

ケガさえなければNBAの歴史は変わっていた!? 全盛期に故障に見舞われた“不運な男ベスト5”<DUNKSHOOT>

出野哲也

2022.06.04

【センター】
ビル・ウォルトン

1952年11月5日生。211cm・95kg
キャリアスタッツ:468試合、平均13.3点、10.5リバウンド、3.4アシスト
主な賞歴:MVP(78年)、ファイナルMVP(77年)、リバウンド王(77年)、ブロック王(77年)、最優秀シックスマン賞(86年)、オールNBA1stチーム(78年)、オールNBA2ndチーム(77年)、オールディフェンシブ1stチーム(77、78年)、オールスター選出(77、78年)

 96年にリーグ創設50周年を記念し「史上最高の50人」が選定された際、最も論議を呼んだのが、ウォルトンの入選だった。実力的には申し分なかったにもかかわらず異論が聞かれたのは、通算出場試合数が468、フルシーズン換算で6年にも満たなかったからである。

 名門UCLA時代も大学最高のセンターとして3度の年間最優秀選手に輝き、74年のドラフト1位でブレイザーズに入団したが、1年目から足の故障などで47試合を欠場。それでも77年は平均14.4リバウンド、3.2ブロックと両部門で1位となったほか、身長211cmの巨体に似合わぬパスセンスも披露。ファイナルでは平均18.5点、19.0リバウンドで球団初優勝の原動力となり、ファイナルMVPを手にした。

 翌78年もレギュラーシーズンのMVPに選ばれたが、プレーオフで再び足を故障すると、以後4年間のうち3年は1試合もコートに立てなかった。ボストン・セルティックス移籍後の86年にシックスマンとして復活を遂げ、優勝に貢献したものの、翌年にはわずか10試合の出場にとどまり、現役を退いた。
 
【シックスマン】
ラルフ・サンプソン

1960年7月7日生。224cm・103kg
キャリアスタッツ:456試合、平均15.4点、8.8リバウンド、2.3アシスト
主な賞歴:新人王(84年)、オールNBA2ndチーム(85年)、オールスター選出(84~87年)、オールスターMVP(85年)

 ケガで短命に終わったドラフト1位センターは、ウォルトンだけではない。ヤオ・ミン、グレッグ・オーデン、そして83年の1位指名でヒューストン・ロケッツに入団したサンプソンもその1人だ。

 身長224cmの超ビッグサイズでありながら機敏な動きで、バージニア大学時代から将来のスーパースター間違いなしと評判を取った逸材。ロケッツでも平均21.0点、11.1リバウンドで新人王に選ばれると、3年目には1年後輩のアキーム・オラジュワンとツインタワーを形成し、ファイナル進出を果たした。

 だが、このシーズン中、リバウンドに跳んだ際に仰向けに倒れて背中を負傷。その傷をかばってプレーしているうちに、今度はヒザを悪くして、急速に成績が下降していく。88-89シーズン以降は平均10点にも届かないようになり、NBA生活は9年で終わった。

 故障前からすでに伸び悩みの傾向があったのは確かだが、それでもケガがなければ、これほどまでに短いキャリアとはならなかっただろう。

文●出野哲也
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