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NBA制覇4回のパーカーは“かつてのライバル”ウォリアーズの優勝を予想「経験が大きな役割を果たす」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.06.11

パーカーは2013、18年のプレーオフでウォリアーズと対戦。かつてのライバルの経験値を高く評価し優勝を予想した。(C)Getty Images

 NBAファイナルはここまで3試合を終えて、ボストン・セルティックスが2勝1敗とリードしている。

 第3戦はセルティックスが終盤に地力を発揮したが、この試合からボストンに場所を移したことも彼らには大きな力となったようで、11得点、8リバウンド、6アシストを記録したアル・ホーフォードは試合後、「ファンのエネルギーが伝播したんだ。あの雰囲気を見た瞬間、"ああ、今夜は違う夜になるぞ"と思ったよ」とホームコートの恩恵を語っている。

 過去のファイナルのデータによると、最初の2試合で1−1とイーブンになったのは今回が40回目で、これまでの39回では、3戦目を制したチームが32回優勝を遂げているという。勝率にして、82.1%だ。

 また、最初の3試合を終えた時点で2勝をあげた側が最終的に頂点に立ったケースも、61回のうち49回と、こちらも率にすると80.3%と高い数値が出ている。

 統計通りにいくなら、優勝の確率が高いのは現時点でリードしているセルティックスということになるが、「(優勝は)7戦までもつれ込んでウォリアーズ」と予想するのは、サンアントニオ・スパーズで過去4回(2003、05、07、14)の優勝経験を誇り、07年にはファイナルMVPにも輝いたトニー・パーカーだ。
 
 現在は母国フランスのプロクラブ、アスベルの会長を務める彼が、アメリカの『USA TODAY紙』に語ったファイナルの思い出の中で、最後に勝敗を分ける要因として"経験値"を挙げた。

 セルティックス側にファイナル経験者が1人もいないことはすでに話題となっているが、マイアミ・ヒートに敗れた2013年も含め、ファイナルを5回体験しているパーカーも、「やはり経験は大きな要素となると思う」と語っている。

「ボストンはものすごく良いチームだし、素晴らしいディフェンス力を持っているのは明らかだ。でもゴールデンステイトは、優勝を成し遂げるための方法を見つけてそれを実現すると思う。なぜならファイナルという場こそ、経験が大きな役割を果たすから。それにゴールデンステイトは2018年以来優勝していないから、彼らも相当ハングリーだろうからね」

 実際、最終戦でヒートに敗れて優勝を逃した2013年の経験があったからこそ、修正箇所をあぶりだし、よりハングリー精神も増し、スパーズは翌年のファイナルに優勝できたと、パーカーは振り返っている。

 パーカーは、現ウォリアーズの中核であるステフィン・カリーとクレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンのトリオが初めて出場した2013年のプレーオフで彼らと対戦している。グリーンのルーキーイヤーだったその年、パーカーのスパーズはカンファレンス準決勝でウォリアーズと激突。スパーズが4勝2敗で勝利したが、この時パーカーは「このチームはこの先長い間、覇権をキープできる存在になる」と確信したという。
 
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ウォリアーズの経験を買う一方、セルティックスの疲労は「大丈夫だ」