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「この街とファンが大好き」減額でウォリアーズと延長契約を結んだウィギンズ「ここにいられるだけで幸せなんだ」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.10.17

ウィギンズは減額での延長契約も、「僕はここにいられるだけで幸せなんだ」と今後もウォリアーズでプレーできる喜びを語った。(C)Getty Images

 2022―23シーズンの開幕を3日後に控えた現地時間10月15日、ゴールデンステイト・ウォリアーズはジョーダン・プールと4年1億4000万ドル(約207億2000万円/インセンティブを含めた合計額)、アンドリュー・ウィギンズと4年1億900万ドル(約161億3200万円)の延長契約を締結した。

 両選手ともステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンのビッグ3とともに昨季の優勝を支えた重要メンバーだが、今回の延長契約で、ウィギンズよりもプールの方が契約総額は高いことを疑問に思った方もいるのではないだろうか。

 昨季プールは平均18.5点、3.4リバウンド、4.0アシスト、ウィギンズは平均17.2点、4.5リバウンド、2.2アシスト、1.0スティールを残した。平均得点とアシストではプールに分があるものの、現状では昨季オールスターに初選出されたウィギンズの方が、ディフェンス面の貢献度も加味すれば格上なのは明らか。

 サラリーキャップを超過しているウォリアーズだけに、超高額な契約を要求しきれなかったと受け取ることもできるが、ウィギンズは16日に米メディア『Enterprise Record』へ公開された記事のなかで「この街とファンが大好きなんだ」と切り出し、減額についてこのように話していた。

「将来に何が起こるかなんて誰にもわからない。僕はここにいられるだけで幸せなんだ。僕らには何か特別なことができるチャンスがある。僕はこのチームの皆、この組織を信じている。僕らは契約延長に成功した。もうそれだけで嬉しいよ」
 
 ウォリアーズ在籍4シーズン目を迎えた27歳の万能戦士にとって、最優先事項はこのチームでプレーを続けること、選手ならびに人として成長を続けていくことだったのだろう。

 特に昨季プレーオフで、ウィギンズは持ち前の身体能力をフル稼働させて攻守両面で重要な役割をこなし、ビッグ3を見事に補完する選手としての地位を確立させた。

 そしてウィギンズは「リバウンド面で(相手に)負けないでついていきたい。プレーオフで一歩前に踏み出すことができた気がしているから、それを続けていきたいね。それが最も重要なこと。あとはディフェンス(面における働き)も続けていく」と、今季に向けて意気込んでいた。

 ウィギンズには平均20点以上を奪える得点力も備わっており、ハンドラー役をこなすことも可能。だがビッグ3が君臨するウォリアーズというチームで有能なロールプレーヤーへ転身した男は、今季もチームの勝利のために献身的な働きを見せ続けてくれるに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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