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低迷必至だったジャズの開幕ダッシュはなぜ実現したか?立役者マルッカネンを指揮官、同僚が称賛<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.10.29

オールラウンドな活躍を披露するマルッカネン。低迷必至だったジャズを予想外の好成績に導いている。(C)Getty Images

 ユタ・ジャズが開幕から5戦で4勝と好調だ。

 彼らはこの夏、2017-18シーズンから5年間続いたルディ・ゴベア&ドノバン・ミッチェル体制を解体。大型トレードに加え、34歳の新人HC(ヘッドコーチ)、ウィル・ハーディを新指揮官に迎える大胆なチーム改革を敢行し、フレッシュなスタートを切った。

 そこで即戦力として目覚ましい活躍を見せているのが、ミッチェルとのトレードでクリーブランド・キャバリアーズから加わった、フィンランド人フォワードのラウリー・マルッカネンだ。

 マルッカネンといえば、9月のユーロバスケットで、フィンランド代表を55年ぶりのベスト8進出に導く大活躍を披露したのが記憶に新しい。さらにラウンド16のクロアチア戦では、43得点を叩き出した。

 新天地のジャズでも、開幕戦からスターターとして出場。初戦は昨季のシーズンMVPニコラ・ヨキッチを擁するデンバー・ナゲッツを下し、2戦目のミネソタ・ティンバーウルブズ戦では、昨季までのチームの主軸ゴベアと早くも対峙した。
 
 ゴベアは10本のオフェンシブ・リバウンドを含む23リバウンドを奪うなど、さすがの名ディフェンダーぶりを見せつけたが、試合はジャズがオーバータイムの末に勝利。マルッカネンは24得点、13リバウンドと、この試合に出場した全選手中唯一のダブルダブルを記録している。

 そして3戦目のニューオリンズ・ペリカンズ戦でも、マルッカネンはゲームハイの31得点を稼ぎ2試合続けてダブルダブルを達成。またもオーバータイムにもつれこんだこのゲーム、第4クォーター残り1分を切って107-110とペリカンズに3点リードを許したあとの攻撃で、ジョーダン・クラークソンがあらぬ方向へまさかのパスミスを犯す。

 しかしこれにマルッカネンが飛びついてアウト・オブ・バウンズの危機から救い、パスを受けたクラークソンが3ポイントを決めて同点に持ち込んだのだが、こうしたプレーはまさにマルッカネンの真骨頂。最終的に1点差でジャズが勝利を収めた。
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指揮官、チームメイトからも称賛の嵐