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「最高のレベルで勝つチャンスが欲しかった」シクサーズを牽引するハーデンが見据えるのは「王座獲得」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.01.11

MVPや得点王などNBAで数々の賞を手にしてきたハーデンだが、いまだに優勝経験はない。(C)Getty Images

 今季、フィラデルフィア・セブンティシクサーズで初のフルシーズンを迎えたジェームズ・ハーデンは、ここまで平均22.0点、6.3リバウンド、10.8アシスト、3ポイント成功率37.1%を記録。アシストはキャリア2位タイで、3ポイント成功率は過去5シーズンで最も高い数字だ。

 2009年にオクラホマシティ・サンダーでNBAキャリアをスタートさせたハーデンは、ケビン・デュラント(現ブルックリン・ネッツ)、ラッセル・ウエストブルック(現ロサンゼルス・レイカーズ)と共闘し、シックスマンとして頭角を現わすと、12年秋に電撃トレードでヒューストン・ロケッツへ移籍。

 新天地で念願のファーストオプションの座を勝ち取ると、瞬く間にリーグ有数の実力者となり、オールスターとオールNBAチームの常連に。そしてマイク・ダントーニ・ヘッドコーチが就任した16-17シーズンから得点力とプレーメーキングに磨きがかかり、翌17-18シーズンにはMVPにも選ばれた。

 ロケッツ時代には1試合で35得点、10アシスト以上、あるいは50得点や60得点以上を奪ってきた33歳のベテランガードは、21年1月のトレードでネッツへ移籍すると、スコアラーから徐々にプレーメーカーに移行していった。
 
「ヒューストンにいた時、俺は毎晩そういったことをやっていた。期待されていたからね。試合のなかで同じインパクトを与えられる気がしていた。でも今の俺はもっと大きなことを描いている。たったひとつのことにフォーカスしているのさ」

『Yahoo! Sports』にそう語ったハーデンは、昨年2月の大型トレードでシクサーズへ加わり、リーグ最高級のビッグマン、ジョエル・エンビードと超強力なデュオを形成。さらにチームにはタイリース・マキシー、トバイアス・ハリスといった好選手、昨夏にはPJ・タッカー、ディアンソニー・メルトンといった選手も加わり、戦力増強に成功した。

 ハーデンはサンダー時代の12年にファイナル、ロケッツ時代の15、18年にカンファレンス・ファイナルまで勝ち進むも優勝は逃しており、世界最高のプロバスケットボールリーグで王座を獲得することを最終目標に掲げていた。

「俺は最高のレベルで勝つチャンスが欲しかった。ヒューストンでそれができないと痛感してから、俺はそのレベルで勝つことができる状況に身を置こうとしてきた。俺にとって究極のゴールはチャンピオンシップ獲得なんだ」

 通算4チーム目のシクサーズでハーデンは念願のチャンピオンシップを勝ち取ることができるのか要注目だ。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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