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NBA

「もう一度オールスターレベルでプレーできる」“絶頂”から“底辺”まで味わったアイザイア・トーマスは完全復活できるか?

ダンクシュート編集部

2019.12.06

過去2年間はケガに苦しみ“底辺”を味わったトーマス。しかし今季加入したウィザーズでは先発PGを任され平均2桁得点をマークするなど、少しずつだが輝きを取り戻しつつある。(C)Getty Images

過去2年間はケガに苦しみ“底辺”を味わったトーマス。しかし今季加入したウィザーズでは先発PGを任され平均2桁得点をマークするなど、少しずつだが輝きを取り戻しつつある。(C)Getty Images

 ワシントン・ウィザーズのアイザイア・トーマスは、チーム内でも年長組の1人で、日本人ルーキーの八村塁の教育係的な役割を担っている。

 そんな良き兄貴分はこれまでの8年間で6球団を渡り歩き、オールスター選出の“絶頂”からベテラン最低保証契約の“底辺”まで味わうなど、そのキャリアはジェットコースターのように浮き沈みが激しい。そして、2年の低空飛行を経た今季、再び上昇気流に乗ろうとしている。

 身長175cmのトーマスは、アメリカバスケ界においてはサイズが小さく、当初は誰もバスケットボール選手として成功するとは期待していなかった。しかし、ワシントン大3年時に35試合で平均16.8点、3.5リバウンド、6.1アシスト、1.3スティールの成績を残し、2011年ドラフト2巡目60位でサクラメント・キングスからの指名を勝ち取った。

 もっとも、NBAの長い歴史においてドラフト下位指名選手が戦力になることは非常にレアで、ほとんどが数年後にはNBAの舞台から去っている。1980年代にレイカーズの黄金期を陰で支えたマイケル・クーパー(1978年ドラフト3巡目60位)、クロアチアの英雄ドラゼン・ペトロビッチ(1986年3巡目60位)は数少ない成功例だろう。
 
 そうした背景のなか、トーマスは1年目に平均11.5点、4.1アシストでオールルーキー2ndチームに選出され、2011年ドラフトの“掘り出し物”として及第点のスタートを切った。

 スターへの第一歩は、3年目の2013-14シーズンだ。72試合に出場して平均20.3点、6.3アシストと上々の成績を残した。ただその一方で、チームはわずか28勝。トーマスが力を発揮するにはボールを長時間持つ必要があり、守備では不利という諸刃の剣の状況にキングスは見切りをつけたのだ。

 2014年にフェニックス・サンズへトレード。この移籍はトーマスにとって一歩後退の出来事だった。当時のチームにはゴラン・ドラギッチ(現マイアミ・ヒート)、エリック・ブレッドソー(現ミルウォーキー・バックス)、ブランドン・ナイト(現クリーブランド・キャバリアーズ)とガードが人材過多で、平均15.2点、3.7アシストと成績ダウンを被ったからだ。

 キャリア降下の危機を救ったのが、攻撃的なタレントを探していたボストン・セルティックスからのラブコールだった。2014-15シーズン途中にトレードで移籍すると、翌年には2年ぶりにレギュラーを奪取し、平均22.2点をあげてオールスター初出場を果たす。
 

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