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NBA

名手マジックが“スター選手の意図的な休養”を一刀両断! ジョーダンとも議論白熱「私たちは毎試合プレーした」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2023.04.14

80年代のレジェンド、マジックが現代の主流になりつつあるロード・マネジメントについて「撤廃されることを望む」と語った。(C)Getty Images

80年代のレジェンド、マジックが現代の主流になりつつあるロード・マネジメントについて「撤廃されることを望む」と語った。(C)Getty Images

 半年間で82試合を戦うNBAの過酷なシーズンのなかで、近年は選手を意図的に休ませる“ロード・マネジメント”がトレンドになりつつある。大ケガに対する予防措置の一面もあるとはいえ、そうしたチーム編成を嘆く声も少なくない。往年の名選手であるマジック・ジョンソンもそのうちの1人だ。

 NBAとNBPA(選手会)は現地時間4月1日、2023-24シーズンから適用される7年間の新たな労使協定(Collective Bargaining Agreement/CBA)が合意に達したことを発表。米スポーツ専門局『ESPN』などの報道によれば、新たなCBAでは、オールNBAチームやMVP受賞には最低65試合以上の出場が“ノルマ”として課される見込みとなった。

 これは、スター選手を意図的に休ませるロード・マネジメントや、ベンチ入りしたプレー可能な選手の不可解な欠場を未然に防ぐための対策と考えていいだろう。

 ロード・マネジメントを語るうえで代表格ともなっているカワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)は、2014年にサンアントニオ・スパーズ、19年にトロント・ラプターズで頂点に立ち、史上初めて東西両カンファレンスでファイナルMVPに輝いた実力者だが、プロ入り12年間でフル出場を果たしたシーズンはゼロ。最多でも2016-17シーズンの74試合にとどまっている。

 ラプターズに在籍した2018-19シーズンには、82試合のうち22試合を欠場。チームはレナードがスパーズ時代に痛めた大腿四頭筋のケガを再発させないよう細心の注意を払い、レギュラーシーズン中はロード・マネジメントを行なった。その結果、レナードはポストシーズンでは全24試合に出場。出場時間もレギュラーシーズンより5.1分長い平均39.1分を記録し、30.5点、9.1リバウンド、3.9アシストの活躍で優勝の立役者となった。
 
 一方、NBAの歴史において最も人気があった時代とも言われる1980年代をリードした名ポイントガードで、レイカーズの球団社長を務めた経験も持つマジック・ジョンソンは、ロード・マネジメント反対派のようだ。先日、マイケル・ジョーダンとそのテーマで会話する機会があったことを明かしている。

「私はそれ(ロード・マネジメント)が嫌いだ。マイケルの60歳の誕生日パーティーの時、私と彼は部屋の端っこで30分間話し続けた。私たちは毎試合プレーしていた。すべての試合に出場したいと思っていたし、コートに立つのが待ちきれなかったとね」

 NBAで13年間プレーしたマジックは82試合にフル出場したシーズンこそないが、ケガに苦しんだ1980-81シーズン、83-84シーズン、電撃復帰した95-96シーズンを除いて70試合以上に出場。2度の現役引退&復帰を経て40歳までプレーしたジョーダンは15年間のうちフル出場が9回、後期3連覇(96~98年)の期間はレギュラーシーズンとプレーオフを通じて1度も休まなかった。

 マジックは現役選手に対して、コートに立ち続ける熱意を持ってほしいと訴えている。

「まず、エゴ、情熱、ゲームへの愛の問題だ。バスケットボールの試合を見るために、苦労して稼いだお金を払っているファンたちがいる。私たちは大好きなことをしてお金をもらっている。だからコートに立たなきゃいけない。さらに、所属するチームや選手の立ち位置から言えば、欠場すると試合に負けることになる。私はそれが嫌なんだ。ファンのため、組織のため、そしてゲーム全体の健全性のために、(ロード・マネジメントが)撤廃されることを望む」

 CBAの正式な内容も含めて、ロード・マネジメントの議論はしばらく続きそうだ。

構成●ダンクシュート編集部

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