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NBA

「俺のベンチスタートをどう思う?」――名手グリーンはなぜベンチスタートに?名将カーが語る舞台裏<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.04.25

自らベンチスタートを買って出たグリーン。第4戦では途中出場から勝利に貢献してみせた。(C)Getty Images

自らベンチスタートを買って出たグリーン。第4戦では途中出場から勝利に貢献してみせた。(C)Getty Images

 現地時間4月23日、本拠地チェイス・センターでサクラメント・キングスとのプレーオフ1回戦第4戦に臨んだゴールデンステイト・ウォリアーズ。126-125で接戦を制し、シリーズ戦績を2勝2敗のタイに持ち込んだ。

 この試合、エースのステフィン・カリーが32得点と爆発。さらにクレイ・トンプソンが26得点、ジョーダン・プールは22得点、アンドリュー・ウィギンズが18得点をマークしたほか、ケボン・ルーニーは14リバウンドを奪取するなど、先発それぞれが持ち味を発揮した。

 また、1点差で逃げ切りに成功したウォリアーズにおいて、ドレイモンド・グリーンのベンチ起用もポイントとなった。この作戦は、第3戦を見た後に、グリーン自らスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)へ提案してきたという。

「彼はこの10年間、ベンチから出たことはなかった。私がコーチを始めてからね。だが第3戦の後、彼はすぐさま私のところでやってきて『俺がベンチスタートすることについてどう思うか?』と言ってきたんだ。そのことについては、すでに考えてはいた。サクラメントのディフェンスを考慮すると、フロアにもう1人シューターを入れることをね」
 
 カリー、トンプソン、ウィギンズ、グリーン、ルーニーという布陣は、おそらくNBAでもベストなラインナップのひとつなのだが、グリーンとルーニーはシューターではない。オフェンスで3ポイントを多用し、ペースとスペースが重宝される現代NBAのスタイルでは、ほとんどのチームがコート上に4、5人のシューターを配置している。

 そこでグリーンは「第3戦で俺たちが見せたスペーシングは見事だった。本当に信じられないほどね。そこで俺は、それがオフェンスで非常に有効なんだと思った」と試合後に明かし、自ら進んでベンチスタートへ。そのなかで31分間プレーし、12得点、10リバウンド、7アシストをマークしたほか、ディアロン・フォックスへのディフェンスでも大きく貢献しただけに、先発でなくともその存在感の大きさは健在だった。

「我々はいつだって協力しあってきた。カギとなる選手たちと意見を出し合い、決断を下してきたんだ。だが、ドレイモンドは自らオファーしてきた。それは数多くのプレーオフの試合で、どれだけ我々がアプローチしてきたかを示すものだった」(カーHC)

 キングスとウォリアーズによるシリーズは、会場を再びゴールデン1・センターへ移し、26日に第5戦が行なわれる。勝ったチームがシリーズ突破に王手をかけられるだけに、次戦も白熱した展開になりそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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