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「カイリー獲得のために犠牲にしたものが気に入らなかった」名手カーターが古巣マブズの問題点を指摘<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2023.04.28

今季のマブズはシーズン途中にアービング(左)を獲得しドンチッチとの豪華デュオを結成したが、チームは機能せず4年ぶりにプレーオフ進出を逃した。(C)Getty Images

 今季のダラス・マーベリックスは4年ぶりにプレーオフ進出を逃し、早々にシーズンが終了した。フランチャイズOBで現在は『ESPN』のアナリストを務めるヴィンス・カーターが、古巣のチーム作りにアドバイスを送っている。

 チームは2018-19シーズン以降、大型ポイントガードのルカ・ドンチッチを中心にチーム作りを進めてきた。昨季はドンチッチをジェイレン・ブランソン(現ニューヨーク・ニックス)、スペンサー・ディンウィディー(現ブルックリン・ネッツ)ら実力派のガード陣が支え、第4シードで挑んだプレーオフでは11年ぶりにカンファレンス決勝まで勝ち進んだ。

 ドンチッチ5年目の今季はシーズン途中の現地時間2月6日にブルックリン・ネッツからオールスターガードのカイリー・アービングを獲得するトレードを敢行。ドンチッチとの強力デュオに期待がかかったが、球宴以降に7勝15敗(勝率31.8%)と失速してポストシーズンを逃す結果となった。

 マブズOBのカーターは、『フォートワース・スター=テレグラム』で古巣のマブズが優勝を争えるチームかと尋ねられると、「いや、そうは思わない。今はね」と回答。チームの選手構成に課題を抱えていると考えているようだ。
 
「ルカ(ドンチッチ)とカイリー(アービング)の共存は上手くいく。ただ、問題はロスター。それだけは確かだ。彼らの周囲にどんなことでもこなしてくれる選手がいれば、さらに良くなる。成績が良くないと、しばらくしたら自分の数字を求めるようになる。契約の出来高を達成するためにね。契約満了でアピールが必要な選手もいるかもしれない。それが勝てない時に陥る問題なんだ」

 なお、カーターは、シーズン中のアービング獲得には反対だった様子。もっとも、キャリア平均23.4点、5.7アシスト、3ポイント成功率39.1%の実力を疑問視しているわけではなく、その見返りに放出した代償が大きかったとの見解を示した。

「個人的には好きじゃなかった。カイリーには関係のないことだけど、カイリーを獲得するために犠牲にしたもの(ディンウィディー、ドリアン・フィニー・スミス、2029年のドラフト1巡目指名権、27年と29年のドラフト2巡目指名権)が気に入らなかった。ディフェンスに優れた2人がいて、守備に苦戦していた。

 そして、彼らはもうチームにはいない。対戦チームのほとんどに、2人のゴー・トゥ・ガイがいる。1人は止められるとして、誰がもう1人を守るんだい? それが問題なんだ。フィニー・スミスはスーパースターではないが、逸材だ。シュートを決めてくれるし、相手のベストプレーヤーを守ってくれて、ルカ(ドンチッチ)の守備のプレッシャーを軽減してくれる」
 
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カーターが語るドンチッチ&アービングの共存策は?