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「勝てないものに投資し続けることはできない」ピアースが古巣クリッパーズにウエストブルックの放出を推奨<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.05.03

ウエストブルックは今年のプレーオフで平均23.6点、7.6リバウンド、7.4アシストと奮闘したが、クリッパーズは1回戦負けに終わった。(C)Getty Images

 今季のロサンゼルス・クリッパーズはカワイ・レナードやポール・ジョージ、ラッセル・ウエストブルックを擁し、リーグトップの総年俸1億9300万ドル(約263億円)を費やしながら、プレーオフ1回戦でフェニックス・サンズに1勝4敗で敗れてシーズン終了となった。

そんなチームに対して殿堂入り選手のポール・ピアースは、ウエストブルックから手を引くべきだと持論を展開している。

 クリッパーズは2019年の夏にレナードをフリーエージェント、ジョージをトレードで獲得し、フランチャイズ史上初の優勝に向けて大きく舵を切ったが、2020-21シーズンのカンファレンス決勝進出が最高位で、いまだにNBAファイナルに手が届いていない。

 チームは今年2月に、ロサンゼルス・レイカーズからユタ・ジャズへトレードとなり、その後フリーエージェント(FA)となったウエストブルックと契約。

 レナード、ジョージ、エリック・ゴードン、ノーマン・パウエル、マーカス・モリスSr.、ロバート・コビントン、ニコラ・バトゥーム、イビツァ・ズバッツと年俸1000万ドル(約13億6000万円)以上の選手を揃えながら、第5シード(44勝38敗/勝率53.7%)にとどまり、プレーオフでもジョージとレナードが右ヒザの捻挫で戦力にならず、あっけなく1回戦敗退に終わった。
 
 34歳のウエストブルックはクリッパーズ移籍後、21試合に先発出場して平均15.8点、4.9リバウンド、7.6アシスト、フィールドゴール成功率48.9%をマーク。オフに完全FAとなり、その去就が注目される1人だ。

 08年にボストン・セルティックスでリーグタイトルを獲得し、現役ラスト2年をクリッパーズで過ごしたピアースは、元同僚で殿堂入り選手であるケビン・ガーネットのポッドキャスト『KG Certified』に出演した際、ガーネットから「ラスと再契約する?」と処遇について問われると、「タフな質問だ」と答えた。

「今年、彼(ウエストブルック)が見せてくれたものが好きだ。でも、勝てなかった。できることなら、ラスと引き換えにドラフト指名権や若いタレントを手にしたい。クリッパーズのロスターは年齢が高いから、サイン&トレードが理想だ。彼らは健康を維持できないこと露呈し、プレーオフで長期間プレーできないと印象付けてしまった」

 ピアースは2014-15シーズンから8年間で4回優勝しているゴールデンステイト・ウォリアーズを引き合いに出し、クリッパーズに決断の時が近付いていることを主張した。

「もしゴールデンステイトのようなロスターだったら、戦い抜いて勝利できただろう。でも、クリッパーズのロスターは何も勝ち得ていない。だから、勝てないものに投資し続けることはできない」

 レナードとジョージが2024-25シーズンまで(最終年はプレイヤーオプション)契約が残るなか、クリッパーズは来季以降にどのようなチーム作りを進めるのだろうか。

構成●ダンクシュート編集部

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