今年のプレーオフ、イースタン・カンファレンス第8シードのマイアミ・ヒートはファーストラウンドで第1シードのミルウォーキー・バックスを4勝1敗で撃破すると、カンファレンス・セミファイナルでも第5シードのニューヨーク・ニックスを4勝2敗で撃破。そしてカンファレンス・ファイナルは第2シードのボストン・セルティックスを4勝3敗で下し、3年ぶりのファイナル進出を飾った。
デンバー・ナゲッツとの頂上決戦では第2戦こそ111-108で競り勝ったものの、翌第3戦から3連敗で敗退。NBA史上初の第8シードからの優勝はならなかったが、彼らは今年のプレーオフで最大のサプライズチームだったと言っていいだろう。
チームはファーストラウンドでヴィクター・オラディポがヒザのケガで離脱、さらに右手骨折のタイラー・ヒーローの復帰も叶わなかったが、現有戦力で最後まで戦い抜いた。
「我々としては後悔などない。自分たちを出し抜く相手がいることだってあるんだ。デンバーはこのシリーズで(ヒートより)優れたチームだった。最後の試合の検証で、どれだけ時間を要することになるかは分からない。だがこの試合で、我々は自分たちの力を最大限に発揮して競い合い、ディフェンス面で最も活発なゲームをしたと言っておこう。それでも勝利には届かなかったんだ」
ヒートのエリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)はファイナル第5戦後の会見でそう口にし、フランチャイズ史上初優勝を達成したナゲッツを称えていた。
「彼らには敬意を表さないといけない。彼らは素晴らしいバスケットボールチームのひとつだ。正しい方法でプレーし、競い合い、コーチ陣の指導が行き届いていたし、強固なカルチャーがある。今シーズンのナゲッツは、優勝するにふさわしいチームだ」
ヒートはファイナル進出を決めた時点で、プレーオフへ出場した全16チームのうちトップとなる3ポイント成功率39.0%を誇り、1試合平均13.1本を沈めてきた。だがナゲッツとのシリーズでは成功率34.3%で平均11.6本にとどまった。
また、ニコラ・ヨキッチ、アーロン・ゴードン、マイケル・ポーターJr.が揃うナゲッツのフロントラインの前に、ヒートは第1戦でプレーオフ史上最少となるフリースロー試投数2本に終わるなど、シリーズを通してペイントエリアの攻防で劣勢を強いられた。
最終的にナゲッツは5試合で平均104.6点、フィールドゴール成功率49.6%を残したが、ヒートは96.4点でフィールドゴール成功率40.7%、平均リバウンドでも37.6本に対して相手は46.4本と力の差を見せつけられた。
それでもスポールストラHCらコーチ陣が打開策を模索し、最後まで勝利を追い求めたヒートの選手たちの勇敢な戦いぶりは賞賛されてしかるべきだろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
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ヒートのエリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)はファイナル第5戦後の会見でそう口にし、フランチャイズ史上初優勝を達成したナゲッツを称えていた。
「彼らには敬意を表さないといけない。彼らは素晴らしいバスケットボールチームのひとつだ。正しい方法でプレーし、競い合い、コーチ陣の指導が行き届いていたし、強固なカルチャーがある。今シーズンのナゲッツは、優勝するにふさわしいチームだ」
ヒートはファイナル進出を決めた時点で、プレーオフへ出場した全16チームのうちトップとなる3ポイント成功率39.0%を誇り、1試合平均13.1本を沈めてきた。だがナゲッツとのシリーズでは成功率34.3%で平均11.6本にとどまった。
また、ニコラ・ヨキッチ、アーロン・ゴードン、マイケル・ポーターJr.が揃うナゲッツのフロントラインの前に、ヒートは第1戦でプレーオフ史上最少となるフリースロー試投数2本に終わるなど、シリーズを通してペイントエリアの攻防で劣勢を強いられた。
最終的にナゲッツは5試合で平均104.6点、フィールドゴール成功率49.6%を残したが、ヒートは96.4点でフィールドゴール成功率40.7%、平均リバウンドでも37.6本に対して相手は46.4本と力の差を見せつけられた。
それでもスポールストラHCらコーチ陣が打開策を模索し、最後まで勝利を追い求めたヒートの選手たちの勇敢な戦いぶりは賞賛されてしかるべきだろう。
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